日本海 その深層で起こっていること

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日本海 その深層で起こっていること

  • 著者名:蒲生俊敬【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 講談社(2016/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062579575

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内容説明

わずか8000年前まで“死の海”だった日本海。生命の宝庫へと変貌した背景には、最下層にひそむ、厚さ1000メートルにおよぶ「謎の水」の存在があった。この海特有の海水は、なぜ生まれたのか? そして、環境変化を先取りする「ミニ海洋」の異名をもつこの海に、いま生じつつある大きな異変とは? 「母なる海」の知られざる姿を解き明かす、海洋科学ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

116
日本海の特徴はその閉鎖性あるらしい。平均水深1667m、最深部3796mと「縁海」としては結構深いが、出口は間宮、宗谷、津軽、対馬の四海峡のみで水深は約10m~130mと非常に浅い。浴槽の淵に小さな浅い切れ目が四か所入ってるイメージ?このような条件がミニ海洋ともいえる性質を持ち、海水循環周期が大洋(約2000年)より短い100~200年の要因となり、海洋の変化状況を先駆けて知ることが出来、全海洋の変化、ひいては全地球的環境変化の予測の手懸りに。北前船やラ・ペルーズの探検航海など歴史的な事柄にも触れている。2021/09/10

やすらぎ🍀

105
何千万年も前、インド亜大陸がユーラシアにぶつかり大陸から離れ、島となった日本列島🗾の間に誕生した日本海。なぜ塩の満ち引きが少ないのか。日本海と大雪、深層水に酸素を届ける仕組み。最深部3796mだが海峡は浅い。氷河期の海面は約120mも低く、間宮、宗谷海峡は完全陸化し、最大深度130mの対馬、津軽海峡はどうだったのか。日本海がもたらす日本列島の湿潤で温暖な自然環境、日本海の恩恵に支えられてこそ実現可能だった日本文明の発展。あらゆる奇跡が起こり、程よい大きさの海が誕生し、自然豊かな日本列島を形成している🗾2019/06/23

やいっち

53
「日本海に面する諸国の都市の間の政治・経済・文化交流を深めようとする環日本海構想」は、かつては盛んに喧伝されていた。 中国などとの政治的軋轢が近年、強まって、しりすぼみ状態だが、近い将来、見直されるに違いない。 富山に生まれ育ちながらも、日本海のことを何も知らなかったと つくづく思い知らされた。ただ、本書で示されている研究成果は、日本海側に暮らす人々でも、大半は初耳だろう。 特に日本海の深層で酸欠の兆候が見られるという。地中海どころか、黒海になりかねないのだ。 [三浦佑之著「古事記の神々」にて言及。]2016/10/03

AICHAN

45
図書館本。日本海の潮の満ち引きは小さい、なんてことは考えたこともなかった。間宮・宗谷・津軽・対馬海峡の水深がびっくりするほど浅く、外海との海水の往来がごく少ないためだという。といった雑学は得られたが、「深層で起こっていること」については物足らなかった。私は地殻やその下に何かあるのではないかと期待して読んだのだが、それは底層水のことだった。日本海の深部には、厚さ千メートルにもわたって均一な性質を持つ底層水があり、それは百年か2百年という若い年齢だというのだ。そう言われてもなあ…。どうもピンと来なかった。2018/08/19

ポチ

45
日本海は世界の海の、海洋大循環系のひとつのミニチュア版。日本海で起きる環境変化がその後、世界の海で起こる。現在日本海は、地球温暖化の影響で、深さ2000mより深いところでは海水の撹拌が行われておらず、海の中が死につつある。これが世界中の海にも起こると地球はどうなってしまうのだろうか⁈2016/10/10

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