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内容説明
2015年又吉直樹の芥川賞受賞へと続く、戦後日本における「文学」の流れを「文学以外の小説」とともに語ることで紐解き、いったい「文学」に何が起こっていったのか、これからの「文学」の行方について論じる。取り上げる作家は、村上春樹、村上龍、栗本薫、高橋源一郎、よしもとばなな、阿部和重、小松左京、筒井康隆、綾辻行人、京極夏彦、西尾維新、又吉直樹、ほか多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
78
70年代から10年代の日本の小説、非純文学であるSF、本格ミステリ、ラノベなどを含めた文学史。一番最初に村上春樹から、世間的に人気がある作家作品の総ざらいだ。比重的にエンタメ系が多い。従来では特権的な、純文学を相対化しようという著者の意図がある。論調としてはもう当たり前と思われることばかりだが、後の資料として定番になるだろうと思われる。カタログ的な読み方ももちろんできる。作家の作風など確認できて、読みたくなった作家作品もあった。2017/05/31
かみぶくろ
58
文学・ミステリ・SFのセクショナリズムに粋な横串。2016/03/02
巨峰
54
面白かった。いわゆる「(純)文学」を「本格ミステリ」「SF小説」といったニッチだけど熱狂的なファンがいる大きな文学の一分野のひとつと定義。上も下もない。きっと質がいい小説か否かだと。70年代のW村上のデビューの頃からはじまる、ニッポンの文学の通史としても読める。この新書を読んで新しい作家に手を出そうとは思わないけど(読むものくらいは自分の感性で決めたいから)でも、面白い内容でした。2016/02/22
k5
53
見晴らしがよく、気持ちのいい俯瞰。最近、批評を読むとワンアイデアしかないトートロジーか、あるいはそれっぽいことを書いただけの駄文にしか当たらなかったのだけれど、すごく楽しんで読めました。村上春樹の文体を語るにしても、複数の視点で語ってくれますし、黒井千次と眉村卓を並べて語る、というような匙加減も素晴らしい。メフィスト賞系を熱く語った部分だけ、ほとんど読んでないからきつかったですが、「小説が好き」という言葉に嘘がないのが伝わる、楽しい本でした。2020/06/10
山田太郎
53
なんとなくここんところの流れの再確認ということで、それなりに知ってることばかりのような気もしますが、それはそれとしてちゃんと理解しておくのも大事ですが、年寄りとしてはなかなかなか新しいことにはついていけなくて昔のものばっかり読むのはいけないと思うのですが、無理効かない年だな。2018/01/26