内容説明
空手を習い、ジムに通って、通勤電車でも足腰の鍛錬を欠かさない五島は、朝の新宿駅南口で、若い二人組にボコボコにされた。ガタイはいいけど、見かけ倒し。そんな真実の姿が明らかになると、五島の人生も暗転して――。(表題作) 泣きたくなるほど切なくて、でも、どこかおかしく、いとおしい。純な心を描いて、あなたの胸に、ずんとくる珠玉のエイト・ストーリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うりぼう
3
この短編集大好き。特にやくざの兄弟の話は、よかったわ~。2008/08/28
Ree.
2
★★★★☆新春初読み作家(勝手に開催中)第8弾。やり切れない短編が多いけど、なぜか惹かれる。2019/01/26
Lint
2
中場さんの本は、どれも泣いてしまいます。切なくて、胸が痛くなるのに、読み終わる頃にはなぜか爽やかな気持ちにさせられます。個人的に好きだったのは「あおげばとうとし」と[日記」でした。若い世代の方たちに、是非読んで欲しい一冊です。2011/08/02
ちょび〜
1
なんかシンミリする短編集。どの話もいい話でした。2013/09/29
しろくま
0
日常+不条理+現実+絆=この小説。家族や隣人との、綺麗事ではなくリアルな関係性と複雑な距離感が描かれた短編集。→教師の想いと悪ガキの行く末がすれ違う『あおげばとうとし』、文化の摩擦と病とに翻弄される哀しい青春物語『大阪チマチョゴリ』等が印象的でした。→お初の作家さん。ちょっと「…」かな。単純明快なハッピーエンドはなく、でも露骨なバッドエンドでもない。割り切れない感じにはリアリティを感じつつ、でも創作物でくらいはカタルシスを得たいんですよね。現実は、もう充分グレーだから。→『逃亡くそたわけ』もどぞ。★★2014/03/14