内容説明
男ひとりのやもめ暮らし。近接したマンションからは小さな子どもが二人いる家庭の、賑やかな会話が聞こえてくる。一人で夕飯をつつきながら思う。疎遠になった娘は今どうしているだろうか。「裏窓の食卓」など8編。ラストに光が射し込み、家族の絆を鮮やかに浮かび上がらせる、シリーズ40万部突破の第5短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
180
怒涛の勢い?で読みまくってる森さんワールドです。『家族』シリーズの今作も期待値以上にしっかりとほっこり&涙腺ゆるゆるとさせてくれました。これだけ飽きもせず、立て続けに読めるのは、やはり作者さんの文章の読みやすさが何よりの売りだと思われます。マンネリ化せず、ありとあらゆる家族、人間のつながり、時にはペットにまでおよぶ絆の深さはココロにじんわりと響きます。頑張る人、頑張りすぎてる人、たまにはこういう作品をゆったりとしたキモチで手に取り、少しでもココロを休めてみるのはいかがでしょうか?そんな時も必要ですよね。2017/01/08
紫綺
64
単行本にて読了。ささやかな幸せを見いだせる一冊。2014/04/27
tengen
61
生まれたときから家族は家族。でも、それだけに甘えてはいけない。家族を"ずっと"つづけるには理解という努力が必要なのです。☆ダメなお父さんの話が多かった、それでも小さな救いを与えてくれるのが森浩美さん。☆彡父ちゃんとホットドッグ/ピンクのカーネーション/七夕生まれ/だめもと/裏窓の食卓/埋め合わせ/ぶかっこうなおにぎり/サンタ失格2016/03/17
カブ
48
家族小説短編集シリーズ、第5弾!?どの家にもあるような家族のちょっとしたドラマです。画像が目に浮かぶような身近な感じですが、ひとつひとつはその家にしかないエピソード。失ってみてはじめてわかること、成長して立場が変わってわかること、永遠にわからないことがあるんだな。2019/05/18
速読おやじ
29
色んな形の家族がある。自分自身も子供の頃から大人になり、夫や父親という立場が加わり、家族との関係が単純ではなくなってくる。そこに哀切な物語が添えられるのだろう。ひとつひとつの物語と自分自身を重ね合わせてみる。救いは、森さんの物語には最後に必ずと言っていいほど、ちょっとした希望を見させてくれる。現実の世界に引き戻されたとしても、そんな希望を持ち続けたいなと思う。なんだかしんみりとした感想になってしまったが、家族小説を読むといつもそういう風に考えてしまうのだ。2022/08/02