内容説明
引退して田舎に引籠っていたホームズが、ドイツのスパイ逮捕に力を貸す、シリーズ中の異色作「最後の挨拶」。ほかに、一人暮しの老婆のもとに塩漬けの耳が送られてくる「ボール箱」、姿を見せない下宿人と奇妙な新聞広告の謎を解く「赤い輪」、国家機密である特殊潜航艇の設計図の盗難をめぐってホームズ兄弟が活躍する「ブルース・パティントン設計書」など全8編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
140
★★★★☆ 本作も安定したクオリティで、どの話もおもしろかった。 気のせいかもしれないけど、ホームズの捜査があまり活動的ではなくなってきていると感じた。この辺りは体力の低下を表したものかもしれない。 お気に入りは、シリーズ中で最も残虐な事件といえる『ボール箱』、兄のマイクロフトが再登場し、ホームズの愛国的な一面もみられる『ブルース・パティントン設計書』。2019/04/24
ehirano1
138
ホームズって決して怯んだりしないことに気付きました。かの燃える闘魂のあの方のように「いつ何時誰の挑戦でも受ける!」の姿勢で犯罪者や犯罪に立ち向かう。おそらく、彼にとってその要因は使命や責任などではなく、「彼の興味」にすぎないと思います。だからこそ、そこにプレッシャーなんかは存在せず、ひたすら興味に邁進できるのではないかと。そんなことを思いながら感慨深く本を閉じました。2023/06/28
香取奈保佐
86
「瀕死の探偵」が、少し趣向を変えていて面白かった。オチは予想できたが、みんながあっさりと引っ掛かる様が痛快。表題の「最後の挨拶」は、第一次世界対戦が始まった当時の世相を反映したもの。ホームズの「東の風は吹くだろう」という最後の切ない言葉も、そのことを雄弁に物語っている。戦争では何千、何万という人が死ぬ。してみると、一人や二人の死について、一つひとつその謎を解き明かしていくホームズのやっていることとは、いったい何なのだろう?こうした名探偵の感傷を味わうことも、古典ならではの楽しみだろう。2016/11/02
かえで
81
ホームズ短編集その4。8編収録。最後ではありません 笑。ただ『最後の挨拶』は時系列として最後の話で、還暦のホームズが登場する異色作。老ホームズと老ワトスンの活躍に刮目せよ!他にも奇妙なオカルトめいた事件にホームズが挑む『悪魔の足』、ホームズの兄マイクロフトが再び登場『ブルース・パティントン設計書』、死にかけホームズ『瀕死の探偵』など今回も楽しめる作品ばかり。ホームズとワトスンのコンビはもはや円熟味を帯びています。ここまでくるとこの二人への愛着は並のものではありません!ドイルの世界に思いきり浸れる作品集2017/03/15
Tetchy
61
とうとう来るべきものが来たという感じ。今回に関しては各短編全てにおいて興趣を欠いていた。有名な「瀕死の探偵」もホームズの馬鹿さ振りを髣髴させるエピソードとして色んな作家に語られるものなので実は大したことはない(実際、この短編におけるホームズはアホである。それにまんまと引っかかるワトスンもまた斯くや)。短編集の題名になっている「最後の挨拶」はもはや本格ですらない。これこそドイルがホームズ譚を執筆するのにうんざりしていた証拠になる。まあ『恐怖の谷』が読めただけでもホームズ譚を読む事の収穫は大いにあった。2009/06/19
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