内容説明
クウェイト、カタル、バハレーン、UAE、オマーン。湾岸産油国は、驚くべき特徴に満ちている。莫大な石油収入によって、所得税はなし、教育費は無料。1人あたりのGDPが日本の2倍の国もある。一方で、「経済発展が民主化を促進する」という定説はあてはまらず、君主制が維持されたままだ。2009年のドバイ・ショックで、世界経済における影響の大きさを知らしめた「石油王が統治する金満国家」を詳細に分析する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
3
湾岸アラブ諸国(クウェート、バーレーン、カタール、UAE、オマーン)の社会・経済体制を、「王朝君主制」、「レンティア国家」、「エスノクラシー」といったキーワードを基に読み解く。王族による官職独占、資源収益に依拠した高い社会保障、出稼ぎ外国人労働者に重度に依存した社会構造など、隣国サウジアラビアと共通する面が多いので、そちらに関する本と併読するとより理解が深まるかもしれない。2012/08/05
ドウ
2
サウジを除く湾岸地域の産油国について、「レンティア国家」や「王朝君主制」、「国民統合(ここではナショナリズムとは区別されている)」、「エスノクラシー」の4つの分析枠組みを用いて論じている本。バハレーンの自国民労働者の部分など詰めの甘い部分もあるが、各国の実例を適宜述べながら分析枠組みについても懇切丁寧に説明していてとても役立った。もっと早く読んでおけば良かった(上記の分析枠組みについての英語文献を授業でヒイヒイ言いながら読んだから)。2015/03/09
天茶
1
★★★ 個人的にクウェイトに興味あったのだけど、主に建国時期の歴史しか知らなかったので、現在の体制に知れてよかった。 「レンティア国家」や「王朝君主制」という概念について始めて知った。この二つが湾岸産油国の非民主的な君主制がいまだに強固に存在できる仕組みだという。 2020/04/06
こずえ
0
サウジ以外の石油産油国は政治体制が独特なのだが、今後石油資源が枯渇していく中でこの体制がどうなるかについて簡潔にまとまっててよい。 中東に商機を見出したい人は読むべき
miharasi_mamiya
0
サウジを除く湾岸産油国の国がどう成り立っているかについて分析したもの。石油収入で成り立っている独特の国家の仕組みが興味深かった。2016/03/14
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