内容説明
高級クラブのボーイ・福光信輔は、銀座の狭い路地で、美咲が首から血を流して死んでいるのを発見する。数日前まで信輔のいる店で働いていた美咲は、手練手管を駆使して男に貢がせる、やり手のホステス。人間関係も複雑だった。信輔の犯人捜しが空転するなか、またしても同じ店にいたホステスが殺害されて……。大人の保育園ともいうべき夜の銀座の狂躁を通して、虚飾の下に潜む性愛の呪縛を色濃く映し出した長編ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
1
好きな作家のひとり。ほとんどの作品はまず手元に置きたくなる。どちらかと言えば恋愛小説のほうが好み。 本作は長編ミステリー。 文章がうまいので読みやすい。 ★☆☆2012/06/25
亀之助
1
銀座のクラブの黒服が主人公で知り合いのホステスが殺され、犯人を追及するが意外な人が犯人だった。主人公の信輔が小説家志望なのだが、普通「小説家志望です」と言ったら腹の中では「けっ、ほんとうかよ」と思うのですが、ここでは皆「それは素敵だ」と言っているにはなにか嘘くさいね。2010/03/12
よもぎ
0
文章の書き方が好きだからなのかわからないけれどとっても楽しく読みました。ただ、最後のオチが大して面白くなかったのは私だけ…?2016/11/17
tenorsox
0
ユイスマンス「さかしま」のついで読み。 夜の銀座を舞台にしたミステリー。かつて同じ店に在籍したホステス2人が連続で殺され、関与が疑われたその店のバーテンが自ら真相究明に乗り出すが… 謎解き要素にそれほど惹きつけるものはなく、ホステス達の日常やそこに通う客の思惑等水商売の描写に詳しいかといえばそこも期待した程ではないが、昭和を感じさせる舞台と登場人物のおかげでまあそれなりには楽しめた。 この人の作風はよく知らないが、「男性の主人公が女性に囲まれる昭和っぽい作品」なら一昨年の「女系の総督」の方が上。2016/03/29
藤四郎
0
藤田 宜永の本はたいていが読み始めてすぐこの話は自分に合わないなと感じてしまうのですが、文章がいいのか雰囲気なんでしょうかね、いつもすぐ読みきってしまいます。 一度読むとしばらくはこの作家のものは読まないのですが、その内また読みたくなってしまう。自分にとっては不思議な作家です。2013/06/11