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内容説明
16世紀初頭の中国で、王陽明という一人の思想家によって生み出された陽明学。<心即理><致良知><知行合一>の基本原理によって、知識よりも行動を重んじるその教えは、江戸時代初期の日本に伝来し、武士社会を中心に急速に広がっていた。それが可能だったのには、中江藤樹にはじまる錚々たる陽明学者に学び継がれたことがある。彼らは独自の解釈を加味しながら、日本の陽明学を“警世の活学”として開花させた。そして幕末に至ると、勤皇の志士たちの行動理念となって、時代を揺り動かす起爆剤となるのである。本書は、東洋学の泰斗として今なお多くのファンを持つ著者が、身近な事例を引きながら、日本陽明学の叡智を人生に活かす思索・実践について論じつくした講話録。中江藤樹・佐藤一斎・大塩中斎・熊沢蕃山らの著作・言行などから、混迷の現代日本を確固たる自己をもって生きる上での様々な知恵が示されている。PHP文庫だけのオリジナル編集版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
大先生
12
約5年ぶりに再読。感動します。王陽明は本当に人間かというくらい凄い人です。日本人では大塩平八郎(中斎)も凄い。歴史の授業で「大塩平八郎の乱」を習ったことがあるかと思いますが、もっと時間をかけて教えるべき人物だと思います。「英傑大事に当っては固より禍福生死を忘る」という言葉通りの行動。近畿地方で飢饉が起きているのに馬鹿奉行が幕府にごまをすって窮乏の中から幕府に回米した。中斎先生もはじめはぐっと抑えながら手を尽くしていたが、馬鹿奉行がそれを生意気だ、僭越だといって邪魔する。それで憤慨した。それが大塩平八郎の乱2025/03/16
澄
10
著者の講座を文書化した内容。論語、四書など他の古典とのつながりもあり、他の色々な古典にも接したほうがより理解度が増す。何度も読み返したい。2016/07/16
大先生
5
「山中の賊を破るは易し。心中の賊を破るは難し。」王陽明は、肺病を患い、病軀でありながら匪賊を平げてしまうような人物だったようで、言葉の重み・説得力が違います。いつの時代も自分自身こそが強敵なんですね。一掴一掌血・一棒一条痕ということばも凄まじい。一度握ったら手形の血痕がつくくらい本気で、(問題に)真剣に取り組めと。2020/05/11
しゅー
4
★★セミナーで「中国古典に学ぶ・・」みたいなテーマを良く見かけるけど、その元祖の先生。などと一緒くたに語るのは失礼なほどレベルは高い。ビジネス・スキルみたいな小手先の話ではなく、人生の構えを真っ向から説く内容になっている。党派性を超えて天下国家を憂え語る、というのは最近あまり見られなくなったスタイルだろう。もちろん今の価値観から見ると古めかしく思える部分もあるけど響く。複数の講演の寄せ集めみたいで前半が断然良かった。本屋で『言志四録』を検索したらこの本も引っかかり、御高名は存じ上げていたので読んだ次第だ。2022/05/17
Yuma Usui
4
前半は王陽明について、後半は陽明学に影響を受けた日本人についての講話集。陽明学の知識が有り、幕末明治の歴史にも知見が有ると興味深く読める内容。人物紹介に終始しており、当初の期待と異なるものだったが、新しい発見が多くあり面白い内容でした。2017/01/07
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