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内容説明
今日の日本国家や政治家、そして国民のあり方に満足する者は何人いるであろうか。まさに日本の進むべき道は暗中模索の状態にある。本書は、東洋学の泰斗が、戦後、高度成長期の物質文化先行のもとに置き去りにされた精神文化を今一度喚起させるべく、日本の伝統精神が如実にあらわれていた時代・思想・理念をあげ、日本の進むべき道を説き明かす。幕末明治の志士たちを筆頭に、道徳教育が庶民にまで行き渡り、大業がなされた『明治維新』や「和を以て貴しと為す」といった聖徳太子の『十七条の憲法』など、自主・自律の心が老若男女に培われていた古き良き時代を顧み、日本国家と国民に東洋の思想と叡智こそが現在において最も必要とされることをわかりやすくといている。過去の歴史・伝統を無視し、表面的繁栄の中没落の道を進んでいる日本国家と国民に一筋の光と希望を与え、活路を見い出す。透徹した人間観・文明観に根ざした珠玉の講話集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大先生
8
【勇敢に無私の行動が出来る。個人的な利己主義でなく、尊敬し信頼すべき指導者を押し立てて、私を忘れて協力・服従していくというのが日本精神。昔は「井戸塀」という言葉があって、政治に足を踏み入れたら最後、家も倉も潰れて井戸と塀だけが残ると言われていた】それなのに、現代の日本人・政治家ときたら…。お金持ちがカッコよく、偉いという価値観が蔓延していますよね。人間にとって本質的要素は「徳性」であり、知識や技術などは附属的要素。優先順位を間違えてはいけませんね。まずは自分が伝統精神を取り戻さねば。「隗より始めよ」です。2022/11/17
耳目之学(不定期更新中)
3
詰め込み式の勉強に比重を置き過ぎ、人間の修養が疎かになっていることが現代日本の一番の教育問題であると筆者は言う。私は学校教育で人間性を大きく磨くことは難しいと考えている。それよりも一人一人がマナー・ルールを守り、陰徳を積めば、それが子供達に影響を与え、教育になるのではないか。たしかに学校教育に問題があることは間違いない。しかし、教育制度を議論するよりも、まず自分の行いを正そうではありませんか。まず身近なところから始めて行きましょう。「一灯照隅、万灯照国」と言うではありませんか。2011/07/09
ぱぷあ
2
安岡正篤氏が考える日本のあるべき姿を知ることのできる本。一つ一つの話は短くまとめられているため、安岡正篤氏の作品の中では比較的読みやすい一冊かもしれません。2016/09/17