内容説明
明治の元勲・西園寺公望、江戸最後の粋人・成島柳北、平民宰相・原敬、宮様総理・東久邇宮稔彦、京都出身の実業家・稲畑勝太郎、山の手作家・獅子文六……。ベル・エポックから両大戦の間、最盛期のパリで日本人が見たものとは? 文庫版用書下ろし「パリの昭和天皇」収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たくのみ
15
フランス屋の鹿島先生が綴る、パリの日本人列伝。パリコミューン事件に遭遇したり、醤油を探し回ったり、古今集を翻訳したりと実に文化的な西園寺公望。飲みながら、パリで語り合う相手は、原敬、高橋是清。7年も留学し、革命的気分に酔う、東久邇宮。日本よりフランスで何倍も有名な、松尾邦之助。蚤の市で江戸期の古写真を大量に発掘する石黒敬七。男を手玉に取る妖婦?宮田文子。こんなにも個性的で自由な日本人たちが明治・大正期にいたことに驚きました。2016/06/25
sasha
6
留学しても大した勉強もしてこなかった現代の政治家には、バカロレアに合格した西園寺公望の爪の垢を煎じて飲ませたいわ。明治期から第二次世界大戦前まで、パリに留学した日本人の足跡を追う作品。文庫化に際して書き下ろされた「パリの昭和天皇」もいい。かの地で乗ったメトロの切符を、生涯大切に保管されていたんだよね。日本にいては味わえない自由を体験された、宝物のような思い出だったのだろうな。2019/03/16
シロビ
5
自分にとって、パリは未知の外国。それが、様々な人の人生の中の「パリ」に触れて、継ぎはぎのパリのイメージが完成していく。楽しい。パリに行ってみたくなりました。様々なジャンルの人を知ることが出来たのもとても面白かった。どんな境遇でも自分の切り開いた人生を自由に生きていく人、素敵だなぁと思います。個人的には東久迩宮稔彦のイフのストーリィがお気に入り。(ちらりと山縣さんも出てくるし…)原敬のパリ…はもう少し知りたかった。そこはちょっと残念。2017/02/21
9分9厘
4
「知る」楽しさにどっぷり。「知らない」ということはなんと勿体ないことなのか。彼らを惹き付けたパリに行きたくなったけど、魔力に取り憑かれたらどうしましょう。それもまた人生。2023/01/13
カエル子
4
無用之選書6/7冊目。明治から昭和初期にかけて、フランス留学を果たした人たちの記録。時勢的に相応の身分だったり生まれだったりする人たちばかり。彼の地で交流する相手も上流社交界に生きる煌びやかな人たちがほとんどで、あまり羨ましいとも思わないという笑。東久邇宮様が「画家のモネを介して知り合ったクレマンソー元首相」から、アメリカに外交でうまいこと戦争をふっかけるようにし向けられるけど絶対に負けるから堪えろ!と的確すぎるアドバイスをもらってたとか、面白い話が山盛りでした。2022/03/31
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