集英社文庫<br> インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

個数:1
紙書籍版価格
¥715
  • 電子書籍
  • Reader

集英社文庫
インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

  • 著者名:中村安希【著】
  • 価格 ¥495(本体¥450)
  • 集英社(2016/02発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087450293

ファイル: /

内容説明

【第7回開高健ノンフィクション賞受賞作】広大なユーラシア大陸を横断し、イスラム圏の国々を越えてアフリカ大陸へ――。絵葉書を売るカンボジアの少女に凜とした生きる意志を感じ、排他的な印象を抱いていたイランで受けた細やかな配慮に戸惑い、ザンビアでは貧富についての議論を交わす。周囲の声に惑わされず、自らの素直な感覚を頼りに47カ国を旅した著者が綴った684日間。

目次

序章 向かう世界(カリフォルニア[向かう世界]
東京[西へ])
第一章 ささやきを聴く ヒマラヤ山系(中国[ゴキブリ列車]
チベット[ハロー、マネー?]
ネパール[謁見])
第二章 カオス 東南アジア~インド(マレーシア[下手な芝居]
カンボジア[ドルの札束]
ミャンマー[ひとかけのリンゴ]
インド[生きる理由]
インド[深い闇])
第三章 小道の花々 インド~パキスタン(インド[行くべきか、行かざるべきか]
インド[大使館のお仕事]
パキスタン[路地裏の主役]
パキスタン[塀の内側]
パキスタン[最後の買い物]
パキスタン[一〇年の約束])
第四章 ウォッカの味 中央アジア(中国―キルギス[戦術]
ウズベキスタン[女よ、飲め!]
ウズベキスタン[結婚しなくちゃ]
トルクメニスタン[言葉の響き])
第五章 悪の庭先 中東(イラン[バラ色のジャム]
シリア[LOVE]
ヨルダン[夜空に散る火花]
イスラエル[緊迫の祖国]
イエメン[難民の食卓])
第六章 鼓動 東アフリカ(イエメン―ジブチ[神の決断]
エチオピア[音の破片]
ケニア[灼熱のサバンナ]
ケニア[インパラの朝]
ウガンダ[子ブタと未来]
タンザニア[男よ、泣くな!]
タンザニア[リアルの感触])
第七章 内なる敵 南アフリカ(マラウイ[隔たり]
ザンビア[貧しきアフリカ]
ザンビア[闇の向こう]
ジンバブエ[有罪]
ジンバブエ[敗北]
南アフリカ[撃てるものなら])
第八章 血のぬくもり 西アフリカ(ガーナ[二つの世界]
ブルキナファソ[心に刻む味]
トーゴ―ベナン[兄弟の国]
ニジェール[器の中身]
ニジェール[善意とプライド])
第九章 世界の法則 サハラ北上(セネガル[小さな哲学者]
モーリタニア[トゥアレグの祈り]
モーリタニア[幸福の死]
モーリタニア[眠らぬ夜行列車]
西サハラ―モロッコ[二〇〇〇キロの奇跡])
終章 去来(ヨーロッパ[再会]
ポルトガル[いつの日か、あの国へ]
ポルトガル[始まりの地])

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じょんじょん

47
これは「すごい」としかいいようがない。ユーラシア・アフリカ684日女性が単身で「旅人」として土地に、人に、触れていきます。沢木耕太郎の「深夜特急」を彷彿させますが、もっとシビアでディープな印象を持ちました。何が彼女をこの旅に駆り立てたのか。何を求めて歩いたのか。その文章はシンプルで鋭く、ときに哲学的ですらある。女性単身では入国できない地域では2度も結婚して入国する。これには絶句してしまった。人間の根源的な交流では、狡知な詐取やピュアな善意も入り混じる。支援とはなにか、なにをすべきかも考えさせられました。 2018/12/15

メタボン

32
☆☆☆★ 題材が良いだけに最後まで興味が尽きずに読み終えた。2年にわたる道中がゆえに、きっとまだまだ書ける題材があったのだろうが、自分が本当に書きたいことだけ厳選したように思われ、紀行としてはかなろ端折ったものになっている。ところどころ読みにくい文章だったり、人や街に対する著者の視線が冷たく感じられたのが気になった。まあ若い女がこれだけリスクのある場所に出かけていって無事に帰ってこれるのだから、それだけしっかりとして強かな女性なんだろうという裏付けなのかもしれないが。2018/09/23

なるみ(旧Narumi)

28
ずうっと積読してましたが、やっと読了できました。読み始めたらとめられないほど、私にとっては引き込む何かを持った一冊でした。1人の女性バックパッカーが約2年ほどかけて、アジア、中東、アフリカを主に旅した時のことをまとめた本です。毎日何があったかを書くのではなく、一個人として経験したこと、経験を通して考えたことが書かれていて秀作だと思いました。2015/12/17

Akihiro Nishio

25
N女の研究があわなかったが、本書は良いという評判を聞いたので読んでみる。2年間のバックパック旅行の記録である。しかし、予想外に薄く、断片的な記録でしかない。そもそも旅先の最初の記録は2ヶ月後である。また、あまりに詩的・感覚的に記述されており、結局どうなったんだ?と理屈で考える自分にはあわなかった。これだけの体験をしていれば、もっと他に書きようもあるのにと思ってしまう。タイトルとなったインパラの朝も、ツアーに参加した時の体験だというのも締まらない。自分には合わない作者であった。2017/05/24

タカボー

19
ユーラシアからアフリカへ。若い時にしかできないモラトリアムな旅。悪い人もいるけど、バックパッカーよりずっと貧乏で不便な生活をしてる人々が、精一杯もてなそうとするし、救いの手を伸ばそうとしてくれる。世界は一生会うことのない素敵な人で溢れている。自分の結婚相手を自分で決められない環境に生きる若者。まだ会ったこともない人を、自分と結婚する人は誰であれ「美しい人」と言う。満たされてるからポジティブになるわけではなく、ポジティブでいるから満たされるのだと気づかされる。読み終わるのが惜しくなる、素敵な紀行文でした。2021/04/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6192116
  • ご注意事項

最近チェックした商品