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内容説明
原文の「歯ごたえ」を残しながら、いかに日本人に伝わる言葉を紡ぐのか――「名人芸」が生まれる現場を、『ダ・ヴィンチ・コード』訳者が紹介。本を愛するすべての人たちに贈る、魅惑的な翻訳の世界への手引き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
55
『ダ・ヴィンチ・コード』の翻訳で知られる著者が語る、翻訳の現場の裏側を綴ったエッセイ。ここでいう翻訳は文芸書に限られるが、異国の言語(ひいては文化)と日本のそれの間に立つ懸け橋としての職業にある人が持つべき矜持というものが伺え、決して堅苦しい内容ではないのだけれど、読んでいて自然と襟を正したくなる。翻訳文学が出版市場で極めて苦しい立場にあることは、消費者として理解しておくべきことであり、そのために翻訳者や編集者がどんな努力をしているのかも分かっておきたい。それは自然と、読者の役割も明らかにしてくれる。2016/05/29
Panzer Leader
48
翻訳物好きな自分だけど、翻訳に関して言えば読みやすいなとか直訳みたいで読みにくい程度の感想しか持ったことがなかった。本書を読んで翻訳家の方々が作家と読者の懸け橋となっていかに良い翻訳本を作り上げていくのかが分かった。そのために単語一つ、タイトルの一文字にも妥協せずこだわりを持って仕上げていく過程には驚き・面白さの連続だった。自分が翻訳物を楽しめるのも不断の努力を続けていく翻訳家の方々あってのものと頭の下がる思いで読了した。2016/10/29
リキヨシオ
40
英語できない!扱えるのは日本語のみ!かどうかも怪しい自分にとって2つの言語を理解して相互変換できる翻訳能力を持った人間は、まさに神の領域!そんな翻訳の仕事には、1・実務翻訳、2・映像翻訳、3・出版翻訳の3つがある。そして3つの翻訳の仕事で使用する技術と求められる訓練は全く異なってくる。今まで、翻訳は訳せればOKでは!と思っていたけど「野球でも、ただバットを振るだけではなく、プロとしてお金を取れる高い技術が必要」という説明になるほど~!と思った。語学力だけでなく、とても高い技術が必要な仕事だなと感じた。2016/05/22
mayumi
31
海外ものを読む時には、翻訳者に大きく左右されると思う。あまりうまくない翻訳者だと、作品そのものがつまらなくなってしまう。ちなみに私が好きな翻訳者は芹澤恵さん。フロストシリーズが楽しく読めているのはこの人のおかげだと思っている。この「翻訳百景」の越前さんはラングドン教授シリーズを手掛けている。ある意味、あの作品は映像が重要な作品だから、訳すの大変だろうなあ、と思う。正直私は小説だけじゃ理解できなくて、映画を観て補完している部分があるしね(笑)。2017/05/13
Nobu A
30
村上春樹&柴田元幸の「翻訳夜話」にしろ本著にしろ翻訳家の日本語表現はタイトルから粋。太宰治の「富獄百景」を参照だとか。前者がタイプの違う翻訳家同士の対談なら、今回は越前敏弥氏の翻訳家を目指した経緯と仕事内容を紹介したエッセイ集。仕事現場の詳細が語られ、一般人には馴染みのない翻訳という職業を俯瞰出来、とても興味深い内容。翻訳家のお陰で、あらゆる洋書が日本語で読めるわけだが、翻訳でも映像翻訳と文芸翻訳では随分違ったりチームで翻訳作業を行ったりと言語感覚を研ぎ澄ませ、緻密な認知活動。奥が深く、興味が尽きない。2019/04/14




