内容説明
人生は「思い出」の積み重ねでしかありえない。良きにつけ悪しきにつけ、そのひとが生きてきた証なのだ――。小さなガラス瓶、古いお守り袋、折り鶴……、そうした小さな手がかりから、依頼人の思い出に寄り添うようにして、人や物を捜し出していく“思い出探偵”。京都御所を臨む地で「思い出探偵社」を始めた元刑事の実相浩二郎は、探偵社のメンバーである元看護師の一ノ瀬由美、時代劇俳優をめざす本郷雄高、十年前に両親を惨殺されて心に傷を負った橘佳菜子と共に思い出と格闘し、依頼人の人生の謎を解き明かす。「思い出」は心を豊かにすれば、苦しめもする――乱歩賞作家が紡ぎ出す、せつなさと懐かしさが溢れるミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
53
依頼人の思い出に寄り添うようにして、人や物を探してくれる「思い出探偵」。人の思いは様々で、他の人にはなんとはないことでも、その人にとってはとても大切なことってありますよね。僅かな手がかりで、根気よく思い出の人を探し当てると本当によかったぁ~と思える。続編に期待。2019/02/07
はつばあば
48
あんたはん・・懐かしい言葉です。京都が舞台で鏑木さんなら読まずにおれません。長いようで短い人生に、良くも悪くも人それぞれの思い出だけが残る。良い思い出ならいつかお礼したいという気持ちもわかるし、嫌な思い出が再現されたら・・尚更恐い。終戦後(まだ幼い頃)夕方まで外で遊んでいると「人さらいが来るえ、はよ帰り」と叱られたものだが、今の子は見ず知らずの人のメールでも付いて行く。この子らが老いた時どんな思い出を残すのだろう。殺伐とした人探しの、思い出探偵とならぬよう願う。2015/06/21
momi
40
人の思い出を捜す探偵社!メンバーは京都府警元刑事「浩二郎」を筆頭に妻の「三千代」元看護師の「由美」時代劇の俳優志望「雄高」事件被害者の「佳菜子」それぞれ悩みを抱えながら依頼人の埋めたい過去を捜し求める!優しいお話…。ちょっとラストが呆気ない感じで終わったので物足りない。全体的にドラマ仕立ての印象を受けました。この「思い出探偵社」は京都を舞台に書かれています…。ついつい京都が舞台になっている作品に手を出してしまうのは、私にとって京都は思い入れのあるまちで、大切な思い出の場所だからです…。 2015/03/14
sat
35
思い出を探す探偵社って面白いなぁ〜。ラストは突然に訪れたが、どれも重く味わい深い依頼だった。2017/06/01
キムチ
35
鏑木さん真骨頂のハートフルが全開。全体的にテレビドラマの流れのよう。人・モノに連なる「思い出」の糸を探って行く探偵所。所長は体調を壊している妻を心身共に支え、2人の所員と共に解決に東奔西走。4篇の話はジグソーのようになっており、ラストで全てのコマが合って物語を作っている。時間が20・40・60年前のタイムトラベルする為、出来過ぎやろ・・と突っ込み入れたくなることしきり。他の作品よりはまぁ、分散せず、まぁまぁの伏線回収。但し、情景としてはS50頃の香りぷんぷん。あんたはん・・なんて今の京都で云ってるかいな?2015/03/08
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