内容説明
殺したはずの女が蘇り、のっぺらぼうが林に立つ。包帯男に語り聞かせる怪談に興味をもった劇団員の明爽子は、刑事の浜中と探偵の海老原を巻き込んで、捜査に乗り出した。舞台となった廃鉱山では、連続殺人が起きていたと判明。解き明かされる真実から、火に祟られた一族の宿命が浮かび上がる。ミステリー界の奇才が放つ現代版『犬神家』!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
363
オイオイそれをのっぺらぼうと言ってしまうか…etcの突っ込みが多かったり、専門知識一発で解決出来る系の謎が多かったり、物足りない部分もあるが全体的にはまずまず。登場人物を非常に少なくした事があまり結末に活かされておらず、これだったらもう少し人物を増やして煙に巻いた方が楽しかったように感じる。冒頭の怪談語りもちょっと必然性が無さ過ぎるのに、思いついたアイデアをどうしても入れたいからやっちゃいました、的なものに思えて仕方がない。海老原の子供っぽさはだんだん消えてきているが…ここで過去を引き摺る設定で来るとは。2017/09/20
Bugsy Malone
60
名探偵海老原浩一シリーズ第5弾。冒頭から始まる顔中包帯の男に聞かせる怪談話、何故苦しむ男に怪談話を聞かせるのか?そしてその謎に挑む海老原。面白い、面白いのだけれど少し物足りない気もする。トリックは著者らしく良いのだけれど、推理はちょっと推測が多すぎる様な。帯に「まさに現代版『犬神家』!」とあったのと小島作品という事で期待が大きすぎたのかもしれない。劇中登場する浜中刑事は良いキャラで、単独作品もあるようなのでそちらも読んでみたい。2016/04/14
hnzwd
51
主人公が引き受けた、病人に対して6つの怪談を語るという奇妙なアルバイト。アルバイトの秘密を探る内に、雇い主の住んでいた村に魚人や河童等の伝説が伝わることが判り、、。海老原浩一シリーズ第五作目(文庫化済は三作?)は海老原がなぜ探偵をしているのかの、バックボーンを匂わせながら、事件を通じて前に進むことを決意するターニングポイントになる一作。事件をくるくる反転させながら、全ての怪異が組み合わさっていく様子は見事。やり過ぎミステリと言われた初期作品よりも必要性や必然性が増して、完成度が上がっている気がします。2017/08/16
momi
47
名探偵海老原シリーズ!私も順番には読んでいないけれど、どの順番でも大丈夫!海老原の秘密…。ふむふむ…本作はシリーズのターニングポイントだったのですね!ますますこのシリーズ全作品読みたくなってきました!本格ミステリー好きには不満かもしれないけれど、強引でも無理やりでも、これでもか!ってぐらい突拍子も無いこじつけ感がもうたまらない〜ッ!!今回はそうきたか!と笑いが出てくるほどです!!人柱にされた娘、顔のない二人の男、廃坑山、三つの化け物、空を飛ぶ女…。私「やりミス」にすっかりハマってしまっています!!2017/03/07
らむり
42
雰囲気は好きなんだけど、手が込みすぎのような。。2016/01/30