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内容説明
東京から南の島に転校して来た麦(むぎ)。
あまり感情を表に出さず周囲に馴染めない彼を、真鳥(まとり)は放っておけない。
だって麦は、真鳥が一番辛い時に慰めてくれた王子様、だから。
義兄にうまく心を開けず真鳥の家に来た麦は、おばあから願いを叶えてくれるという人魚の噂を聞き……。
表題作ほか、複雑な感情をもてあます少女を描いた「アメツキガハラ」、図書館にきた不思議な親子との交流「ゆきの日」を含む三篇を収録。尾崎かおりが描く、心に沁み入る傑作短篇集!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トラシショウ。
22
「自分は自分のままで完成品なのに、何で誰かを足さなきゃならないの?誰かに貰った指輪を一生つけてるとか、ゾッとする」。読み友さんの感想から。将来の進路や友達との関係性に不安定さを露わにするヒロインの日常とその顛末を描く「アメツキガハラ 」、人魚の噂が囁かれる南の島での少年少女の交流と冒険を描く表題作、同じ様な日々の繰り返しに現れた不思議な親子との出会いを描く「ゆきの日」の三本を収録。絵画的な色彩感覚、オーソドックスな絵柄で案外とエグい所も突いてくる、どこか一般文芸っぽさが覗く短篇集(以下コメ欄に余談)。2019/11/18
JACK
18
☆ 繊細な少女の感情を描く尾崎かおりさんの作品集。親友に彼氏が出来たことで湧き出てくる複雑な感情に振り回される少女を描く「アメツキガハラ」。司書さんが図書館で出会った不思議な親子の物語「ゆきの日」。表題作「人魚王子」は、南の島を舞台にした物語。病弱な男の子、麦と、元気一杯の女の子、真鳥(まとり)の物語。麦が活発で頼りがいのある義兄と自分を比較して居心地の悪さを感じている所が切ない。最後は涙が止まりませんでした。尾崎さんは素晴らしい物語を描きますね。2016/01/27
ぐっち
15
中学生くらいの、純粋だけど危うい感じが漂う。表紙を含め、沖縄の海がきれいだけど、危ない!行かないで~と思った。2015/12/26
ねね
14
アキツガハラは、初期作品集「ナイフ」を彷彿とさせる作り。でも当時に比べると救いも見られる気がする。最後の彼女の仕事はいい感じ!ゆきの日、とても好きな話。人魚王子は、何気に真鳥が苦労人。麦も今後の居場所って実は無くなるんじゃないかなあ、って気がしてしまう。尾崎先生の現代物は何か苦しくなる感じがあって辛い。(でも好きです)あの恐ろしい感じの人魚、あれこそが実は人魚なんじゃないかなって思う。人魚姫があのイメージだと全然違う話になるね!「赤い蝋燭と人魚」再読したくなった。2016/02/06
空音
10
尾崎さんの漫画はいつも読んだ後、胸がジリジリする。切ないような、悲しいような、痛いような。息が苦しくなってしまうのに、読まずには居られない。最早、尾崎中毒!(笑)3作品の短編(?)集ですが、私は『アメツキガハラ』が一番好きでした。何だか主人公の少女が自分と似てたから。私達はまるで混ざりあえない異物のようだ。『普通』になれない擬態した異物。【余談】…実は尾崎さんの『福袋2等賞』が当たりました!(勿論自慢ですよ!)ずっと大切にします!有難うございます(´;ω;`)2015/12/27