内容説明
プルトニウムを消費するために下北半島の突端に建設されている世界初のフルMOX原発“大間原発”。対岸の函館市で20年以上その建設反対運動にかかわってきた著者が、“世界一危険な原発”を様々な角度から検証し、大間町にそれができるまでの背景を自身の体験と多くの人々の言葉から満腔の思いで描いた、日本のいまと未来を考えるための“辺境”からの現場報告。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽんくまそ
9
赴任先が急に変わり、函館市に着いたのは、フクシマ爆発の次の日だった。そんな縁で、原発推進者が身内にいながら何もしてこなかった悔いと、住まわさせてもらっているこの町への仁義のため、この本は個人的に義務本になった。ぼくが来る前に津軽海峡の両岸であったことごとを、この本でインプットした。たった一人で祖父の教えを守り土地を売らなかった普通のおばあさんが、怪物(ぼく個人の推理だが、あれは核兵器秘密工場だ)建設に歯止めをかけていたことは、全国の人たちに知ってほしい。函館市の現・前市長に取材できたら、もっと良かった。2015/10/08
ぽんくまそ
6
再読。建設中の大間原発はただの原発ではなく世界初のフルMOX燃料原発である。MOX燃料はウラン以外にもプルトニウムを燃料とするため格段に不安定で毒性が強い。地元の漁協は原発を拒んでいた。そこへ「コンブ採りなどの漁の手伝いや、田植えや稲刈りなどの手伝いを電源開発社員がしたり」、温泉込みの視察旅行へ連れて行ったりした結果、漁協が原発を受け入れてしまった。この地道にしぶとい工作が怖い。日本は原発を作りすぎて核廃棄物を保管する場所が満杯になった。そこで全原発の糞の始末を押し付けられるのが大間の糞詰まり原発だ。2022/07/12
takao
2
☆まずは火力発電所を削減2022/12/05