内容説明
生物に備わる交尾のための器官に関する研究の歴史は意外と浅いが、実は多様性のカラフルさでは随一。いまも論争の的である性淘汰と合わせ、生物の不思議と面白さが凝縮されたテーマを明かす1冊。
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すかちゃんの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
funuu
17
ティダルレンは小型のクモ、一生に一度しか交尾できない。精巣は精液を一滴だけつくると萎えてしまう。雄は残っている一本の触しにこの一滴を吸い込む。一度しか使えない生殖器の準備を万端にして、雌を探し出して交尾する。ただしチャンスは一回限り。願いを果たすと命も果てる。交尾が終わぬうちに雌が必ず雄を食べてしまうのだ。雌に体をかじられても、雄はじっとしている。こうしているあいだにも自分の触しが雌の生殖孔にまだしっかりとつながっていて、一生をかけて蓄えた精子を雌の体内にせっせと送り込んでいると知っているから。「精子はコ2016/04/29
たお
10
オスメスの繁殖戦略のかなり真面目なお話。だが、下手なエロ本より刺激的な事は間違いない。あらゆる生き物の進化に関わる下半身事情は、切実にして時に残酷、時に滑稽。学術用語で語るエロティシズム。生殖器を語ることこそ、進化を語ることなのだと実感した2016/03/27
ATS
9
性器(繫殖)を見れば進化(個体が自己の遺伝子を次の世代に送り込むことで種の保存といったものではない)というものが具体的に理解され性淘汰や性的対立(セクシャル・コンフリクト)についてもわかってくる。そんな感じの進化生物学の本。ほぼ専門書といってもいいような濃い内容。質より量を重視する雄と量より質を重視する雌のバトルが多くの昆虫など多くの例示とともに示される。カワトンボのペニスは精子をかき出す機能があることが示され人間のペニスも実験によって同じような機能があることが示唆された。おもしろい研究が多い。2022/01/12
やいっち
8
性淘汰は生殖器の進化を促す強い原動力となる…だけに、進化の最前線。雄と雌とは、犯し犯される(愛し愛される)関係にあり、しかも、望まれる雄や雌は少なく、虎視眈々と狙う雄(や雌)は多い。だから、そこに苛烈な静穏競争のドラマが繰り広げられる。性器(生殖器)の、想像を絶する多彩な世界に眩暈がしそうなほど。性の深淵はとてつもなく深い。本書を読んでいて、どんなエロやエロスを謳う本(写真)より圧倒的にエロチック。体の数倍もあるペニスを雌の体に挿入して、覚える快感の度合いはどんな人間も味わったことのないものだろう。2016/09/15
長岡紅蓮
7
昆虫や動物などの性的器官がどのように進化してきたのかを解説した書籍。交尾とは交尾器を挿入するものという解釈をしていたが、虫のなかにはそのような交尾を行なっていない種も存在するというのが驚きだった。本全体として酒のつまみ話には最適そうな内容。もちろん、真面目な意味でですよ(笑)?2018/08/19
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