内容説明
のちに「稀代の謀将」「表裏比興の者」と呼ばれる武将の、若き日の純粋で清冽な姿とは。――真田幸隆の三男として生まれ、わずか七歳で武田家の人質となった源五郎(真田昌幸)。彼はその才を武田晴信(信玄)に見出され、その弟・信繁からも目を掛けられるようになっていた。しかし初陣となる川中島の合戦は、昌幸の想像を遥かに超える壮絶なものであった……。昌幸の生涯を渾身の筆致で描く感動の歴史巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
43
武田家の小姓のときから、その才を見抜かれていたのが昌幸凄いところです。川中島の戦いでは信玄の眼とも称されましたしね。そんな昌幸の生涯はこれからどうなるのでしょう。志は建てられました。下巻も読みます。2022/07/20
只三郎
14
真田昌幸が武田信玄に仕え始めた幼き頃〜信玄の嫡男義信の謀反騒動まで描いた「立志編 上巻」。 後に表裏比興の者と称された昌幸だが、この頃はまだ若く純粋な漢として成長していく姿が描かれている。 激戦の川中島の戦いの経験、そして兄と慕った者達との悲しき別れを通して成長していく姿に心が動かされてしまう。 大きく成長するには素質、努力の他にも環境も大事なのだと感じさせられる。2021/01/06
YONDA
11
信玄の小姓になった昌幸から、親今川派粛清の功で武藤姓を信玄から賜った上巻。昌幸の小姓時代は今まで読んだことがなかったので面白い。このまま下巻へ!2019/10/26
綱成
10
単行本が面白く、文庫化を心待ちにしてました。上巻は、川中島の戦いがメインとなります。真田一族、みな魅力的ですが、上巻は信繁が印象的。兄のような、父のような存在で昌幸を導きます。また、義信自害の場面では、長坂と真田のやりとり。どちらも正論であり、中々心苦しい場面です。2016/01/18
綱成
8
再読です。若い昌幸の戦略の師と呼べる人物はやはり、武田信玄だろうと思いますが、志や武士としての土台は、この小説を読む限り武田典厩信繁だと感じます。信繁の人物像だけでなく、立ち振る舞いや雰囲気など良く伝わる文章で、川中島合戦が辛すぎました。2016/06/07