内容説明
SF小説やアニメに登場する宇宙エレベーター(軌道エレベーター)は、SFの中だけの夢物語だと思われてきました。しかし、カーボンナノチューブなどの新素材の開発により、技術的には実現の可能性が見え始めてきました。
宇宙エレベーターの技術だけに留まらず、社会や政治的な側面まで広く扱っているこの本は、宇宙エレベーターの定番書として、広く受け入れられてきました。今回、オーム社からの再発行にあたって、発行後の状況の変化に合わせた内容の一部見直し・追加などを行っています。
※本書は、武田ランダムハウスジャパンから発行されていた『宇宙旅行はエレベーターで』(ISBN978-4-270-00335-0、2008年4月発行)の内容に、加筆・修正を加えて再発行するものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らららん
7
どうやってエレベーターを作るのか、ということを中心に書かれています。 初めてこの本に出会ったのが書店で売り出されたころで、その当時はSFかな?なんて思っていましたが、じっくり読んでみるとけっして夢物語ではないことがわかります。 もし、エレベーターができたら… 宇宙に行ってみたい!です。 久しぶりに読んでいてわくわくドキドキした本でした。 現実になってほしいなぁ。2015/05/05
kiyooka
2
宇宙エレベータはどのような仕組みで動くのか、実際に作るためにはどういった障害があり、どのように解決すれば良いのか、といったことが記載されています。必ずしも全ての障害に対して解決策を提示しているわけではないのですが、本書で描かれている「宇宙エレベータが運用されている未来図」を目の当たりにすると、それら障害は些末な問題であると感じられます。いままで物語上の存在としか見ていなかった宇宙エレベータが一気に現実的なものに感じられ、非常におもしろい本でした。2018/01/14
Dubian
1
H3ロケットの打ち上げ中止のころに手に取ってみました。ロケットビジネスから宇宙エレベータで行くための設備や運航の条件、リスクなど細かく検討されていてSFのようでもある。でもイノベーションの導入の始まりなんて検討しきれないリスクがたくさんあってもちょっとしたアイデアで乗り越えていけるものだ。 スマホの普及していなかった世界って15年くらい前だろうか?移行していない多くの人が入力しずらさなどを課題に挙げていたような気がする。2023/03/04
namng
1
面白かった。 宇宙エレベーターを使うとロケットより遥かに安く宇宙に行けるという。宇宙旅行の料金は、地球低軌道でディナーを楽しむツアーが2万ドル(約200万円)、月面に数日間滞在するツアーが100万ドル(約1億円)程度になるのではないかと予想されている。 庶民がホイホイと出せる金額ではないが、世界一周クルーズに行く層なら検討出来る額。 この本を読むとそれは決して絵空事ではなく、手が届く未来にあると分かる。2014/01/07
suica
1
面白かったのはアースポートの位置は必ずしも赤道直下である必要はなく、緯度35度以内であればいいということ。赤道から離れるとケーブルは地表面に対して垂直ではなく一定の角度を持つようになるけど、多少傾いていても問題ないらしい。未来のピサの斜塔だね。2013/11/10