内容説明
人が集えば必ず生まれる序列に区別、差別にいじめ。時代で被害者像と加害者像は変化しても、「他人を下に見たい」という欲求が必ずそこにはある。自らの体験と差別的感情を露わにし、社会の闇と人々の本音を暴く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
56
人は誰しも自分の物差しで下を眺めているのだと思います。歯に衣着せぬ言葉で本音の部分を抉り出していますね。2020/11/08
なるみ(旧Narumi)
35
いじめなども取り上げられていました。思わず襟を正して読むような、他の著書とは少し雰囲気の異なる一冊でした。2018/09/11
明智紫苑
29
人間が本能的に持っている優越欲求がテーマのエッセイ集。そういえば、いつか中村うさぎさんが誰かとの対談で「私、平等って嫌いですよ」と言っていたな。うさぎさんは酒井さんよりも優越欲求が分かりやすく表れている人だけど、酒井さんはうさぎさんのような「女王キャラ」ではない分、「食えない人」という印象が強い。うさぎさんが姉御肌イメージなのに対して、酒井さんには「妹キャラ」的な要領の良さがありそうだな。2018/11/02
mazda
29
どんな世界でも、人は相手を下に見ることでなんとなく安心するという、まあ平たく言うとそんなことが書いてありました。結婚生活している夫婦、はたまたドリフ、いろんな場面で、自分よりも下の人間という存在を持つことで、心の平成が保たれているのかも知れません。2016/04/09
カッパ
28
わかるわかると思う事がたくさんかかれている。私はしたに見られてきたようにずっと感じてきた。でも、自分も自分よりも下に思える人をみて安心していたところもあある。努力するよりも簡単だからかもしれない。でも結局はそんなことしても何もかわらない。そんなことに気が付いた。同列な場所は作り出さないとない。それがちょっと悲しいところである。上下から抜け出すことが私の目下の目標であったりする。2018/12/14