内容説明
「頼むから、やさしくさせろよ。そうさせてくれない女、おまえくらいだよ」 鎌倉で雑貨店トオチカを営む里葎子。過去の恋の傷から男性との関わりをさける彼女の前に、やり手のバイヤー・千正が現れて……。
※本書は、二○一三年四月、小社より刊行された単行本を文庫化したものです。小説屋sari-sari 二○一三年五月号に掲載された『ねこのいる庭』、二○一三年五月に配信された電子書籍『ねこは夜に恋をうたう』、およびアニメイトオリジナル特典として配布された『ウァジェトの目』を追加収録した文庫が底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
107
某オキニさんの感想をきっかけに一部で盛り上がっているこの作品ですが、読んでみたらば想像以上の掘り出し物。『たいへんよくできました』。トラウマ持ちの主人公とやたら彼女を怒らせるイケメンの恋愛は月9というよりもロマンス小説ですね。もともとBL作家さんだけあってトラウマと俺様キャラの扱いは手慣れた感満載。注目の“エロ”は(笑)俺視点で見るとムラムラくるというよりも、こと細かな行為の描写のなかに繊細な優しさとか微妙なもどかしさが見られて、カラダとともにココロを重ねるとてもよい“エロ”だったと思いますよ。2016/06/26
さおり
89
お気に入りさんの感想に釣られて、初めての崎谷さん。甘かった。そして、エロかった。トラウマを抱えた主人公が軽そうに見えるイケメンに懐柔されていくってとこは好みな展開で、びゅーんと一気読みだったわけですが、それにしても。なんというか、あのエロさはふつう?私がいい年してうぶなの?っていうか、うぶって(笑)。と、動揺を隠しきれなくなってしまうくらいエロかったよ。これはねー、女性の方がピンとくるやつかも。どうなのかな?女性も男性も、ちょっと読んでみてほしいよ。あ、でも期待しすぎないでね。エロいのはほんの一部だから。2016/06/10
扉のこちら側
77
2016年158冊め。単行本で初読、文庫化で再読。そうそう、こんなにこじらせている話だったなあと思い出す。わかるんだけどね、大丈夫? と声をかけたくなる。書き下ろしの短編はベッドシーン多め。単行本の時も思ったけれど、表紙の主人公のイメージが作中と違っていて戸惑うのだ。文庫も表紙書き下ろしなのにロングヘアなのは変わらないのね。2016/03/06
もも
59
読友さんのレビューを拝見して、甘い恋愛小説が読みたいと思い手に取りました。不器用な2人の恋愛でした。メインは彼女からの視点ですが、短編として彼や友人の視点での話もあり満足。読み終わった時にもう1度最初から読むとあーこの時にはこうだったのねとニヤニヤ。いっぱい辛い思いをした里葎子さんにはぜひ幸せになっていただきたい。帯のセリフのチョイスは私にとって絶妙でした。2016/04/27
よっち
53
親友と2人で鎌倉の小さなアクセサリー店「トオチカ」を営む里葎子。手痛い恋愛を乗り越えていたと思っていた彼女がバイヤーの千正と出会い、心揺さぶられてゆく不器用な大人の恋の物語。会えば行動の一つ一つが気になって苛立つ里葎子と、なぜかそんな彼女の地雷を踏みまくる千正。優しくされたり雑貨の趣味が似ていても素直になれず、距離感が分からなくなったり言葉の選択を間違えてしまう不器用な関係が、とあるきっかけから戸惑いながらもいい感じにまとまっていって安心しました。巻末の短編もいい感じに幸せ感を補足していて良かったですね。2016/03/06
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