内容説明
ある日、高校生の姉が家を出た。僕は出来の悪い弟でいつも姉に魅かれていた。バラバラになった家族を捨てて僕も、水際を歩きながら考える。姉と君子さんの危うい友情と、彼女が選んだ人生について……。危うさと痛みに満ちた青春を17歳ならではの感性でまぶしく描く坊っちゃん文学賞受賞作(「魚のように」)。ほか、家庭に居場所のないふたりの少女の孤独に迫る短編「花盗人」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おくちゃん👶柳緑花紅
97
中脇初枝さんのデヒュー作‼17才の作者が溢れる想いを迸らせたような作品。生きている証。何故生きるのか。あのとき私もそんなことを考えていたなぁと、しかしこんな風に文章にできる才能がなかった。溢れる想いを葛藤を綴るパワーを感じた。2016/06/14
いたろう
65
中脇さんが高校3年生の時に書いたデビュー作である表題作と、同じく高3の時に書いた「花盗人」の中編2編。受験生であった時期に小説を書き、その作品で坊っちゃん文学賞を受賞して、小説家デビューという華々しさだが、この中脇さんの原点は、それから20数年が経った近年の作品とは作風が異なる、ストーリー性より感覚的なものが中心となる純文学作品。2作品に共通するのは、家族に大切にされている姉に対して、家族から蔑ろにされている自分という存在。この疎外感は、その後、作風が変わっても、中脇さんの小説の底辺に、ずっと流れている。2019/12/23
ゆみねこ
58
中脇さん、高校生の時の作品。表題作で坊っちゃん文学賞受賞。若き才能の片鱗が。しかし読む時期が悪かったのか、全く集中できずに斜め読み。2018/05/15
tokotoko
56
17歳の時にしか、書けなかった文章、と、あとがきで中脇さんが言われてました。高知県の小さな町で書かれた2つのお話が収められています。閉塞感に気づき、解放されたいと願う年頃。その気持ちを抱えながら小説を書く、っていう方法もあったんだなぁって思いました。もろいけど、どこかたくましい。背景は夜が多いけれど、きっと夜明けが来るって思っている。そう思って生み出された登場人物達、のような気がしました。2015/10/04
名古屋ケムンパス
53
高校三年生の著者が心の疼きを飾ることなく綴った作品です。高知県のいなか町で過ごす生活はのんびりでも、心は葛藤に満ちていました。殻を破れなくてもがく内面の描写に、もう味わうことのないと思う痛みと懐かしさの感情に浸ることになりました。2020/08/22
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