内容説明
中国共産党創設100周年(2021年)と中華人民共和国建国100周年(2049年)の「二つの百年」を見据えた中国の外交・安全保障戦略について考察。2015年10月現在までの習近平体制下の中国を中心に、胡錦濤、江沢民の時代にさかのぼり、四半世紀にわたる中国外交を検討します。衰えつつあるかにも見えるアメリカを、中国がどう評価し、対峙していくのか。その結果として日本との関係がどうなるのかを展望します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
18
2016年刊行。習近平政権スタートから数年たったタイミングで、中国外交を論じた。「西側」の論理に引きつけるのではなく、中国独特の論理や言葉使いに根気よく付き合っている。面白い例が2014年12月1日「人民日報」1面掲載の中国外交に関する評論。中国は経済利益ばかりを追求するのではなく、「義」と「利」の均衡を実現するのだという。著者は書いていないが、儒教、朱子学の伝統がここにも生きているのか?と思った。2024/07/12
Haruka Fukuhara
4
図書館で借りて読み直し。面白かったけど読み込む前に期限が来てしまった…2017/06/11
Haruka Fukuhara
4
ざっと眺めたところ共感できそうな部分が多かった。それとは別に、あとがきについて考えていた。中傷やらなにやらは実名で何かを論じるとき不可避なのだろう。そうしたリスクをとって表に出ている人には敬意を表したい。―強くなければ生きられない。この方の場合は夫が支えてくれたようだがそうした存在の大きさを感じた。If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.2017/04/12
蟹
3
習近平体制下の中国がとる外交・安全保障戦略を、東アジアだけでなく世界規模で概観する。その中で、中国が日本との関係をどのように位置付けているか-それは著者の主張によれば他国への態度と比べてもきわめて強硬であるのだが-が見えてくる。最新のトピックを幅広く取り上げているだけに、まだまだ今後がわからない部分も多いが、著者の見方は前述したとおり明確である。もう一つ重点的に取り上げられているのは米中関係だが、ここではG2論と中国の主張する米中新型大国関係の違いが印象的だ。2019/04/09
三城 俊一/みきしゅんいち
1
「中国は軍拡を進め、世界の脅威となっている」という言説はよく聞く。しかし冷静な視点で中国政府内の思惑や権力闘争を分析し、かつ一般向けに噛み砕いている本はあまり多くない。習近平主席の唱える「一帯一路」や「核心的利益」などのキーワードを解説しつつ、中国が海洋進出に向かうメカニズムを描いている。ただ勇ましいだけの反中本とは一線を画した、問題意識のある良書だと思う。2018/10/30
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