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内容説明
世界一の好魚民族である日本人。魚と日本人の生活誌を扱おうとした試みとして、本書は類書のない、楽しい書物である。魚食文化、魚に関する故事、信仰、呪術まで、生活に溶け込んだものや、意表を突く珍しい事例などをたっぷりと挙げる。また、著者は伊勢神宮に奉職する神官であったため、一般の目に触れることの少ない伊勢神宮における魚の扱い方など、神社仏閣の式典の供物とされる魚の話題は詳しく、興味深い。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Arisaku_0225
16
日本人とサカナの食文化だけでない,お祭りや民間信仰,俗説などあまり触れられてこなかっただろうサカナ文化に焦点を充てる.題名を新たに付けるとしたら『サカナ民俗学』という感じで,「さかな」の語源や「のし」といった雑学的なものから,祭祀の捧げもの魚種にまで丁寧に掘り下げられている.前半は,魚全般と人とのかかわり方,後半では,アユ,コイ,エビ,カツオ,ウナギ,ナマズ,ハマグリ,サメ,エイと魚(?)種ごと紹介している傾向.個人的に興味深かったのは,2023/02/17
Yuuki.
13
著者が伊勢神宮で働いている方というのもあってか、神事と魚の関係に関するお話が多め。様々な魚の地方名や魚を使ったお祭り、習慣などについて色々書かれており勉強になる。全体的に堅めの内容の中、かつて魚の浮き袋で出来た〇〇〇〇〇があったという話、そしてその使用感までが書かれていたのには驚いたが、これも面白い知識だった。(具体的にここに書くのはちょっと恥ずかしい。。。)2017/02/06
ルーシー
8
大変勉強になった。ここの感想の文字数では到底語れないくらい内容が濃かった。伊勢神宮の神饌でアワビが最も重要だったり、昔はタイよりコイの方が格上だったり、意外なことばかりで驚いた。全国各地の魚を祀る寺社、祭り、供養碑、伝説も紹介されている。魚類だけでなく貝類、イカ、タコ、サメ、クジラ…水中海中でとれるもの=サカナとして日本人と日本文化との関わりをまとめている。2019/06/28
スプリント
8
魚の博物誌です。 双魚というシンボルが東西に似たような意味合いで存在していることを知りました。 魚の種類毎の故事が豊富に掲載されており勉強になりました。2016/04/24
もけうに
4
35年以上前に書かれた本なので流石に古さも感じる。しかし、学術的ながらユーモアも感じられる内容で、非常に読み応えがあり面白い。あの言葉・風習はここから来ているのね!と目から鱗な記述が沢山。やや散漫としているものの、作者の博学ぶりには脱帽。魚を通した民俗学という、ありそうで無い題材であり、一読の価値あり。2019/03/03