内容説明
乱世を生きた武将の体験にもとづく叡智の結晶、家訓。教養の深さと死生観念の鋭さとが表れたその教えには、武士の処すべき正しい道が説かれている。本書は、北条早雲、毛利元就、武田信繁、織田信長、豊臣秀吉、黒田如水、加藤清正、徳川家康ら23人の代表的家訓を現代語訳し、解説を施した。戦国の雄たちは、子孫や家臣に何を伝えようとしたのか。
目次
序 説
北条重時の家訓
菊池氏の家訓
朝倉氏の家訓
武田信繁の家訓
毛利氏の家訓
北条氏の家訓
島津氏の家訓
織田信長の訓戒
豊臣秀吉の訓戒
蒲生氏の家訓
黒田如水の教訓
加藤清正の家訓
徳川家康の教訓
徳川光圀の教訓
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てっき
1
書店できになって購入した本。中身は戦国時代を中心とした武家の家訓を口語訳して載せたもの。解説があまり解説になっていないので、正直頁数は半分程度に節用できたのではないかとも感じた。家訓そのものは保守的な家や躾を受けてきたのであればなんら違和感を感じないような教訓ばかりであり、孝行や善行、質素倹約という辺りに全てが集約されるため、そこまで新しい発見は見られない上、若いうちであれば反発しか招かないと思うので、中々訓話というのは難しいと感じた。2023/05/03
くみ
0
案外、おもしろくなかった2016/11/21
紫暗
0
家訓というよりは武将達が部下や家族に向けた手紙などが中心になっている気がしましたが、内容としてはまぁ家訓が書かれているといってもいいでしょうか。豊臣秀吉、黒田如水、加藤清正、徳川家康、家光など、そうそうたるメンバーの家訓が並べられていますが、中でもやはり一番面白かったのは織田信長でした。いくつか収録されている中でも信長で一番面白かったのは秀吉の正妻に宛てられた訓戒状です。秀吉の妻の立場を思いやる言葉に溢れた少し意外な文章でした。人間信長が見える貴重な資料だと思います。2013/01/10
耳目之学(不定期更新中)
0
武田信玄や豊臣秀吉が残した家訓や訓戒状が大量に載っています。面白いのは、書いた人の性格が文章に出ていることです。例えば、北条重時は「畳のへりを踏むな」とか細かいことを長々と書いています。一方、島津貴久・義弘・家久・綱貴のものは簡潔です。武田信繁(信玄の実弟にして右腕)のものは論語などの東洋の古典を引いて説明しています。それぞれ独特の個性があります。ただ、親が子供を本気で思う気持ちは共通で、熱い気持ちが文章を通じて伝わってきました。英雄であると同時に、彼らも子供を思う「パパ」なのですね。2011/04/04