内容説明
ニーチェによって粗描され、ハイデガーによって継承された「反哲学」は、西洋2500年の文化形成を導いてきた「哲学」と呼ばれる知の様式を批判的に乗り越えようとする企てである。この新しい視角を得れば、哲学の歴史も自ずからこれまでとは違って見えてくる。古代ギリシアから19世紀末にいたる哲学の道筋をたどり直す「反哲学史」。講談社学術文庫『現代の哲学』の姉妹編。
目次
はじめに
第一章 ソクラテスと「哲学」の誕生
第二章 アイロニーとしての哲学
第三章 ソクラテス裁判
第四章 ソクラテス以前の思想家たちの自然観
第五章 プラトンのイデア論
第六章 アリストテレスの形而上学
第七章 デカルトと近代哲学の創建
第八章 カントと近代哲学の展開
第九章 ヘーゲルと近代哲学の完成
第十章 形而上学克服の試み
終 章 十九世紀から二十世紀へ
原本あとがき
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フロッキー
34
ニーチェまでの哲学の歴史を教えてくれる入門書という感じなのですが、読み応えがある本です。初心者なので半分ぐらいしか分からなかったけど、良書だということは分かりました。2016/06/22
SOHSA
34
《購入本》ソクラテス、プラトン、アリストテレスからカント、ヘーゲル、ニーチェまでの西洋哲学史をそれぞれの思想の変化・発展・批判を基にわかりやすく比較解説している。木田先生の書籍は『反哲学入門』『現代の哲学』等々どれも初学者にわかりやすく、それでいてかなり深いところまで丁寧に教えて下さる良本が多いが、この『反哲学史』も同様に素晴らしい1冊であった。この本を水先案内人として広大な海に漕ぎ出して行こう。そして迷った時にはまた自分の居所を教えてくれる灯台として。2015/11/08
masawo
20
紀元前から十九世紀に至るまでの哲学史を「存在」を軸にして解説しており、単なる伝記集に留まらない魅力を持った一冊。語り口が優しすぎて若干気持ち悪いが初心者にとっては最適。ニーチェの章が駆け足気味だった気がするが、全体的にコンパクトにまとまっている。2020/02/20
km
20
その時代の思想を理解することは、その時代の文学を理解する手助けになると思います。本書の内容は、近代哲学は西洋哲学の根幹である形而上学からの解放を目指している反哲学であるとし、反哲学の視点から哲学史を解説していこうというものです。プラトン~ニーチェまでの哲学を分かりやすく説明しています。2017/02/16
風に吹かれて
17
ソクラテス以前の思想家からニーチェまで。入門書であるので、あまり細かい議論は行われず。でも、人間の思考の歩みを、まるで「哲学」を主人公に反哲学の立場から、つまり特定の時代・地域で行われていた思想の営みを、むしろ解体しようとするニーチェ以降の「反哲学」の地点から、小説を読んでいるかのように思わせる平明な語り口で解き明かす楽しい本。ニーチェ以降は最終章で手短に語られているが(くわしくは著者の『現代の哲学』で)、マルクスの哲学を語る部分は『資本論』に向かう彼の考えの源を理解するうえでとても有意義だと思った。2019/09/14
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