Ｉ．Ｌ 手塚治虫文庫全集

著者名：手塚治虫【著】

講談社（2016/01発売）

• ISBN：9784063738933

内容説明

映画監督の伊万里大作（いまり・だいさく）は、映画の世界に夢が持てなくなって廃業しようと決める。そんなある日、街角の占い師から古い屋敷を紹介され、そこで、I.L（アイエル）という不思議な美女と出会う。彼女は、愛用の棺のなかに入ると、老若男女どんな人間にも変身することができるのだ。伊万里は、アイエルといっしょに身代わり引き受け業をはじめるのだが……。　＜手塚治虫漫画全集収録巻数＞『I．L』（手塚治虫漫画全集MT262～263『I．L』第1～2巻収録）/『ステロタイプ』（手塚治虫漫画全集MT263『Ｉ．Ｌ』第2巻収録）　＜初出掲載＞『Ｉ．Ｌ』（箱の女　1969年8月10日号　「ビッグコミック」掲載/蛾　1969年9月10日号　「ビッグコミック」掲載/メッセンジャー　1969年9月25日号　「ビッグコミック」掲載/フラレルノ大統領の宝　1969年8月25日号　「ビッグコミック」掲載/ブロッケンの妖怪　1969年10月10日号　「ビッグコミック」掲載/身代金　1969年10月25日号　「ビッグコミック」掲載/フーテン芳子の物語　1969年11月10日号　「ビッグコミック」掲載/マネキン　1969年11月25日号　「ビッグコミック」掲載/栄光の掟　1969年12月10日号　「ビッグコミック」掲載/封蝋　1969年12月25日号　「ビッグコミック」掲載/南から来た男　1970年1月10日号　「ビッグコミック」掲載/ラスプーチン　1970年1月25日号　「ビッグコミック」掲載/眼　1970年2月10日号　「ビッグコミック」掲載/ハイエナたち　1970年2月25日号～3月25日号　「ビッグコミック」連載）/『ステロタイプ』1973年4月3日増刊号　漫画サンデー掲載

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[あぶらや]

再読。落ち目の映画監督がドラキュラ一族から現実社会でのドラマを演出して欲しいと、どんな人間にも姿を変えられる一族の娘をアシスタントにつけられる。 話は一話一話いろんなドラマを、変身する娘を軸に描かれるが、最終話の唐突な終りかたに違和感があり作品として完結していないように思える。登場人物達は魅力的で作者が今もいたら続編が出ただろうにと思ってしまう。

2019/01/25

[ホームズ]

前半が特に面白かったと思います。ちょっと後半になってくると少し微妙になってきて結末が少し残念かな～。

2012/05/12

[KAZUNARI]

色んな人に姿をかえて、様々な人間の本質に迫っていく連作短編。人間の身勝手さ、異常な欲望や愚かさをあぶりだしていく。ラストはかなりスケールの大きな話になってるな。併録の「ステロタイプ」はある人気歌手とそっくりな男の顛末などが描かれる。そこには芸能人の闇などが浮かび上がる。ラストもそんな芸能人に影響される大衆を皮肉ったオチ。

2019/01/20

[ふろんた]

★★

2018/04/10

[アーチャー]

姿を自由に変えることができる不思議な主人公Ｉ・Ｌ(アイ・エル)を通して、欲望と夢に翻弄される人間の姿を描いた全１４話からなる手塚治虫氏お得意の風刺漫画です。時代背景がいささか古いく感じるかもしれませんが、それらをあっさり自分の漫画に取り入れる手際良さや、各エピソードごとに描かれたタイトル文字のデザインが毎回凝っているアイデアも面白いです。

2012/04/01