内容説明
にゃんとも楽しい猫づくし!
「おもちゃ絵」とは、幕末から明治中期にかけて作られた、子ども向きの浮世絵のことです。読み物や漫画、図鑑的な情報をはじめ、切ったり組み立てたりして遊ぶものや、双六、着せ替え人形などもあり、玩具として大きな位置を占めていました。
そのなかでも人気が高く、現在でもファンが多いのが猫の絵です。猫好きでも知られる奇想の浮世絵師・歌川国芳の弟子たちを中心に、数多く描かれました。宴会猫、働き猫、曲芸猫、温泉猫、勉強猫…など、擬人化された猫のオンパレード!
また、猫の姿を通して、当時の子どもの遊び、人気のあった職業、さらには流入してきた西洋文化によって変化しつつある風俗の様子が分かります。「ねこビル」「ねこライフ」「ねこストリート」「ねこレジャー」「ねこシアター」「ねこvsネズミ」といった章立てで、まるで猫の町を覗いているような、楽しさいっぱいのビジュアル本です。猫おもちゃ絵のルーツともいえる、国芳の作品も多数収録!
フィックス型EPUB54.5MB(校正データ時の数値)。
【ご注意】※この作品はカラー版です。
また、お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
55
子ども向けの浮世絵のことを「おもちゃ絵」と呼ぶそうです。“寄せ絵”で名声を得た歌川国芳と弟子たちが描いた、ねこのおもちゃ絵が日本初の書籍となりました。擬人化されたねこたちが、賑やかに暮らす猫町。ねこ店員の粗相で頭から蕎麦をかぶったねこ客、ねずみに屁をかけられた居眠りねこ、お江戸と明治維新の時代考察としてカラフルなおもちゃ絵巻が意外と面白い。弥次さん喜多さんのシリーズでは、のぞきがお約束。雄と雌の修羅場も描かれ、子ども向けであることを失念してしまう。『善悪・人生ゲーム』の黒子キャラに山田くん座布団二枚だよ!2016/03/08
憲法記念日そっくりおじさん・寺9条
52
去年、歌川国芳展を見に行ってたいそう面白かったのをまだ身体が覚えている。この本も観賞後、物販コーナーにあった。図書館に借りに行ったが、国芳本が軒並み借りられていて、見に行った人が多いのだと体感した。晴れて借りる事ができてようやく拝見。国芳一門が描いた猫の擬人化浮世絵。幕末~明治初期の風俗もわかる。浮世絵に書かれている台詞も起こしてくれているので、当時の語彙もわかって楽しい。床屋で散髪してもらうのを「はさんでもらう」と言っていたのだなぁ。猫絵では風呂屋のものが一番好きだ。思わず頬が緩む。仔猫が可愛い。2016/01/29
たまきら
35
日本人の猫好き・ゆるキャラ好きは筋金入りだなあ…と読みながらニマニマしました。これ、手ぬぐいにしたら売れるだろうなあ…と思って調べたら既存でした。ほ、ほし~い。2023/03/21
宇宙猫
31
★★★ 猫が描かれたおもちゃ絵の紹介。可愛いというよりはひょうきん。大半が三毛にゃんか黒斑にゃんこ。版画だからトラにゃんはめんどくさいのか、ほとんどいない。2016/02/19
ちさと
25
絵師の歌川国芳が火付け役となった猫の浮世絵。その後天保の改革による規制が緩んだことで、子供向けの浮世絵「おもちゃ絵」が登場したそうです。ポスターや図鑑として眺めるもの、切り抜いて組み立てて遊べるものなど、幕末から明治にかけてかなりの種類が作られたらしい。ぜひ双六にして遊びたい。登場する猫達の姿は獣医学や動物行動学から見ても理にかなってると書いてある。と言うことは猫達は、人知れず8頭身二足歩行、着飾って花見をしてたり授業をうけてたりしているというわけか。2019/01/18
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