内容説明
2016年3月公開 映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』原作
世界中が、アメリカ発の住宅好況に酔っていた2000年代半ば、そのまやかしを見抜き、世界経済が破綻する方に賭けた男達がいた。投資銀行、格付機関、米政府の裏をかき、彼らはいかに世紀の空売りと呼ばれる大相場をはったのか。『マネー・ボール』の著者マイケル・ルイスが世界同時金融危機の実相を描く痛快ノンフィクション。解説・藤沢数希
電子書籍では、マイケル・ルイス氏が映画化の経緯や、その見所について述べた「映画化記念 著者特別エッセイ」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
285
中々最後まで読むのに悪戦苦闘したが、空売りでそこまで儲け抜けるのがすごかった。この行為の行き着く先がリーマン・ショックとか実際の経済に影響を与えるまでになるんだなぁ。マイケル・ルイスの話はマネー・ボールから経済のノンフィクションとしてとても面白く読めるから好きだな。2016/09/27
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
110
サブプライムローンの破綻をきっかけに起こったリーマンショック。その過程を内側まで入って書いたノンフィクション。今から思えば、返済能力が無い世帯の住宅ローンなんて破綻するのが目に見えているはずなのだが、熱くなるとわからないのかねぇ。やがて破綻するのはわかっていても自分が「ババ」を引かなきゃ良いって言う事なんだろうなぁ。その破綻するタイミングをきっちり予測して大儲けした人もいるって言うのもすごいね。ただ自分にとってはこの方面に関する知識が全く無く、読んでいて理解不能な事が多かったのは事実です。★★★2022/04/21
kochi
25
2008年のリーマンショックにつながったサブプライムローン危機の渦中、いわゆる空売りで莫大な利益を得たものたちがいた… デビュー作で、ウォール街の体質をあばいた著者が、金融界の言わば変わりものたちに取材したノンフィクション。膨大な情報量が提示され、略語のCDOとかCDSとか紛らわしくてあたふたするので、巻末のF氏の解説のその部分だけでも先に読んでおいた方が良いかも。まあストーリーに関わる部分にも言及があるので、ご注意を。著者の基本的立場が反ウォール街なので、大儲けの話であっても読めるが、米国的には成功譚?2020/05/17
Aster
21
結末が分かっている以上モーゲージ債を信用してた人がアホっぽく見える2024/10/24
緋莢
20
2000年代半ば、多くの人はアメリカ初の住宅好況に酔っていたのだが、一部は、ある事に気づき、世界経済が破綻する方に賭けた者もいた。そして、2007年から、世界同時金融危機が起こり…世界同時金融危機の大きな要因となったサブプライム(貧困者のための住宅ローン)。その住宅ローンから損が出やすいもの、出にくいものをいくつかに切り刻んで まとめて金融商品を作り、格付け会社がアメリカ国債なみの格付けをした、しかも、トリプルBの債権を集めるとトリプルAになるというのにもクラクラしますし(続く2023/08/09