山と溪谷社<br> ヤマケイ新書 シカ問題を考える - バランスを崩した自然の行方

個数:1
紙書籍版価格
¥880
  • 電子書籍
  • Reader

山と溪谷社
ヤマケイ新書 シカ問題を考える - バランスを崩した自然の行方

  • 著者名:高槻成紀
  • 価格 ¥704(本体¥640)
  • 山と溪谷社(2016/01発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635510097

ファイル: /

内容説明

現代のシカ問題の全体像がこれ1冊でわかる!
長年、シカと環境の関係を研究しつづけた第一人者によるシカ問題の入門書。

現在、増え過ぎたシカによるさまざま被害が各地で報告されている。
美しく貴重な高山植物は食べ尽くされ、植物を餌にする虫もいなくなり、森は後継樹が育たず、このままでは存続が危うい。
シカ問題はただシカの数を減らせばよいというものではなく、農林業の衰退、里山や奥山の変化と密接に関わる社会問題であり山問題である。

農林業被害から生態系の破壊まで、ますます深刻化するシカ問題。
シカ肉利用やシカ猟なども含め、シカ問題に関するニュースが毎日のように報道されている。2015年5月には「保護」から「管理」にシフトした改正鳥獣保護法も施行された。
本書では、広くシカ問題に関心のある人に向けて、シカ問題の背景・現状・影響・対策・今後を解説します。

序章 シカが増えた森を訪ねる
1章 シカ問題はどういう問題か
2章 シカ食害の現状と影響
3章 シカという生き物
4章 シカ増加の歴史、背景、原因
5章 問題解決の努力
6章 生態学的、総合的な視点でみる
7章 シカと共存する未来に向けて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちぃ

25
まず「シカ問題」と言った時、それは人間にとっての問題ということ。貴重な植物が鹿によって減ってるとか農作物被害とか、それも人間目線で何が大事か決めているだけ。また人間も生態系の一部であり、都市型生活の主流化がこの問題を作り出しているということ。人間の都合で適切な頭数を決めるというのはナンセンスだし、コントロールできるものでもない。人はずっと自然を恐れつつ依存して生きてきた。近代以降は減れば保護するし増えれば悩むの繰り返し。右肩上がりの消費社会を求めることの限界。このままじゃダメだと強く思う。読んでよかった。2021/08/14

MOKIZAN

19
この四半世紀で鹿が急増し、様々な懸念事象が発生している。とくに食害により、森林の世代交代は勿論、最早不毛地帯と化し、地盤崩落の危機に陥っている地域が増えているとのこと。同様のケースは、とうに無人島になった島で、住民が置き去りにした山羊が繁殖、やはり食害で草木が繁らず地肌が露出し、風雨の度に土砂が海岸伝いに流出している画像を見たことがある。林野庁あたりで、もみじ肉の普及国家プロジェクトを立ち上げ、意義ある鹿捕獲策を検討、着手しませんか。それとも浅草あたりで、鹿革なめす?にしても本書あとがきは秀逸と感じる。2016/06/27

yamakujira

8
各地で問題視されているシカの食害と対策について考察する。高山植物が食われ、草原が裸地化して、斜面が崩落するなど、自然環境に与えるシカのインパクトは座視できないほどだと、あらためて驚愕した。オオカミの絶滅、積雪量の減少、狩猟圧の低減、山村の過疎化など、さまざまな要因が一気に噴出した感じだね。シカ柵の設置で凌ぐのも限界となった現在、当面は心を鬼にしてシカを駆除するしかないだろう。環境省が主導して、啓蒙活動と並行しながら都市住民の非難を怖れずに、思い切った駆除対策を施してほしい。 (★★★★☆)2015/12/29

犬丸#9

4
★★★★★ ヤマケイ新書なので登山に深くかかわる内容だと思っていたら,ガチでシカ問題えぐった内容で,いい意味で裏切られた。読み応えあり,内容も深く心に刺さり,最後まで飽きさせない。原因分析に至る過程もお見事。広く読まれるべき好著だと思う。お勧めです。2019/07/06

Gasse

4
90年代より急増してきたシカ。農業への被害はもとより、増えすぎたシカの食害は、山林の植生を大きく変化させ、他の動物たちの生態にも影響を与えているうえ、土壌流出や土砂崩れなど地形変化まで引き起こし得るのだという。シカの急増の原因は複合的ではあるが、特に要因として大きいのは農村の人口減少であると結論付ける。結論は、まあそうかな、という話ではあるけど、今の日本で何が起こっているかを知るには最適な一冊。2018/06/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9904358
  • ご注意事項