中公新書<br> 李光洙―韓国近代文学の祖と「親日」の烙印

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中公新書
李光洙―韓国近代文学の祖と「親日」の烙印

  • 著者名:波田野節子【著】
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 中央公論新社(2016/01発売)
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  • ISBN:9784121023247

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内容説明

李光洙は韓国の夏目漱石である。近代文学の祖とされ、知らぬ者はいない。韓国併合前後に明治学院、早大で学び、文筆活動を始めた李は、3・1独立運動に積極関与するが挫折。『東亜日報』編集局長などを務め、多くの小説を著した。だが日中戦争下、治安維持法で逮捕。以後「香山光郎」と創氏改名し日本語小説を発表。終戦後は、「親日」と糾弾を受け、朝鮮戦争で北に連行され消息を絶つ。本書は、過去の日本を見つめつつ、彼の生涯を辿る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

87
韓国の夏目漱石と言われるそう。近代文学の祖、という意味で。 はるかに複雑な人生。時代も厳しい。 戦前、東学の徒として日本留学、独立運動の闘士から親日派へ転身。 戦後、糾弾され、朝鮮戦争で北に連行されて消息を絶つ。 変遷が激しい。2021/04/08

BLACK無糖好き

15
韓国併合前後に明治学院、早大で学び、文筆活動を始め、大量の論説や小説を著し、韓国近代文学の租とされるも「親日」の烙印を押された李光洙の生涯。評論家キム・ヒョンは李光洙を「触れるほどに血の噴き出す民族の傷口」と呼んでいるそうだ。独立運動に関与するも挫折、文筆活動での民族啓蒙、帝国主義の論理との葛藤、もがき苦しみながらも「内鮮一体」論に吸い込まれ対日協力へ。この裏には民族の解放を求め続けた一人の文筆家の目を通して見た大日本帝国の姿も垣間見える。終戦後解放されたはずも、その後に待っていた運命は・・・・2017/08/08

きつね

9
帯の惹句には「李光洙は韓国の夏目漱石である」とあるが、その生涯は李光洙のほうがはるかに波乱にみちている。国の威信を背負った英雄から、売国奴扱いともいうべき急転落、死後の糾弾など、転変がはげしい(本書著者が後半生の研究を躊躇したのも頷ける)。日韓の複雑で重く苦しい歴史や、ナショナルアイデンティティの問題などから必ずしも多角的な評価が行われてきたとはいいがたい(記念館すら実現していないという)李光洙について、詳細な調査によってさまざまな状況(監視・検閲下であったり、反対に監視・検閲を気にせずにいられた状況など2015/07/25

パトラッシュ

7
日韓関係が最悪だと日々報道されているが、その根源である植民地時代に両国間を引き裂かれるように生きた作家について初めて知った。東夷野蛮と蔑んでいた日本の植民地にされるという民族的屈辱下で文学者としていかに生きるべきか、朝鮮人作家として高く評価されながら李光洙にとって生きることが戦いの生涯だったのではないか。創氏改名し母国語を捨てて日本語で作品を書き、戦後の親日派糾弾の嵐にあって「民族のために親日をした」と述べた彼の悲痛な心境は、激動の歴史を記録でしか知らない今の日本人にも韓国人にもとうていわからないだろう。2019/11/20

tellme0112

4
かつて大学の授業でやったお方。忘れていた課題を思い出したように手に取る。胸が痛い。懐かしくて。知的欲求を維持できていない自分を悔しく思いながら。同期はこれをどう読んでいるのだろうか。思ひでぽろぽろ状態。勉強、してない…関心払ってない…高い学費払って勉強させていただいてたのに、今じゃただの主婦やってるよな~ごめんってかんじ。2015/08/26

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