内容説明
バリウム検査は危ない!
全国で年間1000万人が受診するバリウム検査。しかし、実際には技術は古くてがん発見率は低く、しかも事故が多く患者を大きな危険に晒すものであると専門医は批判する。それでも制度が改まらないのは巨大な利権があるからだ。厚労省や自治体の天下り組織が検査を推奨・実施し、メーカーや医者・病院も潤う。その利権は600億円に達する。進化の著しい内視鏡検査に加え、最新式の「リスク検診」ならば、発見率向上に加え医療費4200億円削減の効果もある。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しらぞう
17
衝撃的なタイトルなので懐疑的に読んだが、どうやら正論のようだ。胃がん患者の99%はピロリ菌感染者である、バリウムを推奨する医者が自分の胃を内視鏡で検査する、数々の臨床データ…視点の異なる根拠が示されていて説得力がある。検診ガイドラインで内視鏡検査も推奨対象に加えており、内視鏡を排除せずに、バリウム検査を守ろうしているのだろう。しかし現実には、職場や居住自治体の健康診断はバリウム検査固定の場合が大多数であり、それがベストな方法ではないという。(本書とは別だが)ホリエモンの検査キットは、自分で採血するのか…2019/02/03
のんぴ
14
がん発見率で劣り、検査前も検査後も著しく負担をかけ、コストも高いバリウム検査を人間ドックの標準装備にするのはもうやめてください。うちの夫もこないだ、検査後バリウム便がでたからだいじょうぶと思って夜アルコールを飲み、2日後にバリウム便が出口でつまって浣腸のお世話になったよ。ピロリ菌の有無を調べて除去しよう。消化器医でバリウム検査を受ける医者はいない。2019/01/28
橘 由芽
11
リスク高いのに胃のバリウム検査止めないよね。結局誰かが儲けてるって話なんだけど、厚生労働省の出す市町村別受診率の統計が0%に表示されるのはまずい、という理由で続けている市町村がある一方、いち早く住民健診でのバリウム検査をやめて、安全性が高くメリットの大きい検査に切り替えた横須賀市の回答が素晴らしい。「国の統計なんかより市民の命のほうが大事じゃないですか」あっぱれ!2016/03/02
ジュリ
7
バリウムが腸の中で固まって腸に孔が開いてしまったり、腸閉塞を起こしてしまうことがあるようだ。特に高齢者は危険。しかも、バリウム検査では早期がんは発見できないことがある。それなのにいまだにバリウム検査が行われているのは、検査を行っている人たちが利益を得たいから。バリウム検査は受けない方がよいと思う。2020/01/06
koji
5
私なりに大雑把に整理すると①平成16~26年のバリウムによる穿孔319、死亡20(穿孔死亡17)。②放射線被爆量は直接撮影4~13.4、間接撮影2.9(ミリシーベルト)で、胸部X線の96~446倍。③国立がん研は迷走のすえ「バリウム推奨継続、内視鏡初めて推奨、ピロリ菌ベースのリスク検診は推奨せず」(H25)、④バリウム検査費用に600億円の税金投入、天下りの構図有。⑤バリウム検査の胃がん見逃し率は20~45%となります。この辺りを元に本書を読み、一人ひとりこの問題と向き合うべきでしょう。参考になりました。2016/01/10