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内容説明
野蛮で残酷、時に繊細で芸術に過剰なまでの情熱を傾けるロシア人。日本と近く、欧米に憧れて近代化してきたという似通った過去も持つ。だが私達は、隣国の本性を知っていると言えるのか。欧米中心のヘゲモニーが崩れつつある今、世界はロシアが鍵の一つを再び握った。ロシアを知り理解し得なければ、今後日本は生き残れない。一九六〇年代からソ連・ロシアと深く関わってきた二人の作家が、文学、政治経済、宗教他あらゆる角度からロシアを分析。人間とは、国家とは、歴史とは、そして日本人とは何かを浮き彫りにしたスリリングな知の対論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ 🍀安寧祈願🍀
177
自然に流れてくる情報とは異なるロシアを知るために。ニュースは現実であるが事実とは限らない。後世に残る歴史記述と事実は異なるという。広い土地に多くの人が集う中で日常や考え方の違いは当然あるもの。生活習慣から今ここに至る道筋まで。生家から空に浮かぶたったひとつの星を見上げ、世界中の人々は何を感じているのだろう。あらゆる文化や思想が語り継がれてこの世は存在している。排斥ではなく受け入れ共存し合う世界に早くならないか。ロシアに精通するお二方が文学や体験をもとに洞察する。本は読まれなければインクのシミにすぎないと。2022/09/30
ehirano1
78
いやいやいやいやいや、短すぎでしょこれは。もう頼んますよ幻冬舎さん。これすっごく面白いんだから、あと200ページくらい足すくらいじゃないとダメなんじゃない? しかし、佐藤さん、終始嬉しくて仕方ないみたいです。 2018/09/08
けんとまん1007
57
近くて遠い国の一つがロシア(旧ソビエト連邦)。と、考えたら、そんな国ばかりかも。まあ、それはそれとして、一つの大国の歴史・文化が、少しは感じ取れただけでなく、近隣諸国との関係性もわかって、興味がつきない。お互いをリスペクトしあっているのが、滲み出ていて、読んでいても心地よいが、この続編があればなあ~。2018/09/18
matfalcon
52
直木賞作家と元外務官僚。共通点は「ロシア」でした。プーチン大統領を愛称の「ヴァロージャ」とは呼ばず「ウラジミール」と呼べば親密さをアピールできるだろうと「忖度」する我が宰相は、今回の米朝外交ショーでも蚊帳の外でした。ちなみに、ロシアで誰かをファーストネームで呼ぶことは小学校の先生ぐらいしか、しません。2018/06/13
Nobuko Hashimoto
40
ロシアに造詣の深い作家2人による対談。タイトルの「異端」は、ロシアや日本の異端派とされる宗教の話や、政治的な理由から異端とされた文化人の話などが出てくることからつけられたと思われるが、本書で語られることはそれだけではない。対話によって相互に引き出される話題の豊かさにはたくさんのヒントがあって刺激的。お二人のちょうど一世代分の年齢差による背景の違いも、良い感じで反映されている。印象的だったところをブログにピックアップ。https://chekosan.exblog.jp/30003642/2020/04/12