内容説明
大川慎太郎 将棋観戦記選集
「大川氏の熱心な取材に本音を引き出された」(渡辺明竜王)
「ここにしか記されていない、現在を生きる棋士たちの想いがある」(行方尚史八段)
「対局後の棋士の本音を綴った観戦記をご堪能ください」(広瀬章人八段)
「難解な対局に秘められた棋士の想いを圧倒的な取材力で描ききる」(村山慈明七段)
本書は、ここ10年にわたって将棋世界巻頭のメイン観戦記を担当してきた大川慎太郎氏の観戦記から12局を厳選したものです。書籍化にあたって、すべての観戦記に取材後記、後日談的なエピソードを加筆してあります。
羽生―渡辺戦、渡辺―丸山戦、藤井―行方戦、森内―渡辺戦…。将棋史に残る名局を、対局者の心理にまで深く入り込み、その真の姿を浮かび上がらせる。「観戦記者に求められるのは文章力ではなくて取材力」という言葉を胸に真摯にプロ棋士に、そして将棋に向き合ってきた観戦記者大川慎太郎の足跡がここにはあります。棋譜並べだけでは味わえない、一手ごとに揺れ動く棋士の心の深奥を本書でご堪能ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
7
私見では観戦記は「文学」であるべきと思う。書評や映画評、音楽評のように、共通の土台を持っているかわからない人に訴える力がいる(評を読んでいる時点で共通の土台はあると想定してもいいのだけど)。いま一歩ぐっと人間に踏み込んでいけるか。それはひとえに取材力=人間力にかかっている。2016/03/15
しもふさ
3
ファンの方たちはご存じなのかもしれませんが、プロの将棋の指し方って、こうなのか・・・・と、思った一冊でした。時間の使い方や、過去の棋譜から逸れ新手を出すタイミングなど、プロの勝負の流れがおもしろかったです。2016/10/15
ヨミトロール
2
勝負の世界だから勝てばいいということでもあるのだけれど、一局の棋譜は一流の棋士同士が作る芸術品のようにも思える。その価値を最大限に表記しようとする記者の仕事というのもすごいと思うよ。2016/02/20
プレミアムモルツ
1
閉鎖的な将棋界にあって、トップ棋士に対してこれほど深い取材を行っていることに敬意を表したい。本書を読んで、あらためて観戦記の重要性を再認識した。2016/05/13
農明(ノウミョウ)
0
著者大川氏の観戦記である。将棋の名局が紹介されている。対局者の悩みぬく姿が想像でき面白く書かれていた。解説もわかりやすかった。2016/05/21