講談社文芸文庫<br> 森の宿

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講談社文芸文庫
森の宿

  • 著者名:阿川弘之【著】
  • 価格 ¥1,353(本体¥1,230)
  • 講談社(2016/01発売)
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  • ISBN:9784062901192

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内容説明

大学生時代、東京と郷里広島との往き返り、尾道を通るのはいつも眼の楽しみであった。船と海が好きだったせいもあるけれど、その頃私は志賀直哉の作品を耽読していて、汽車が尾道にかかると、「暗夜行路」に描かれている通りの風景が車窓にあらわれて来る。対岸は向島、島と本土の間が潮の流れのきつい河のような狭水路になっていて、釣舟がいる、渡しがいる……――<本文より> 愛してやまない鉄道・空・船の旅をめぐる名随筆

目次

鎌倉 横浜 ホノルル
蒸気機関車運転記
私の初飛行
廃墟の桜
奈良青天
躁の宗吉が描いた茂吉像
四十年目の上海港
蘆溝暁月
菊池寛と志賀直哉
森の宿
大ぼけ小ぼけ
茂吉先生三十三回忌
尾道と石巻
志賀直哉の意地悪
清春村の白樺二世
里見とん先生追悼
天成の文体と刻苦の文体
「北斗星一号」試乗記
にっぽん丸航海日誌
パナマの沖の小島の話
私の汽車旅讃歌
飯田線追想紀行
茂吉晩年の一首
故園黄葉
伊香保温泉・蘆花・直哉
志賀直哉交友録
著者から読者へ
年譜  岡田 睦
著書目録  岡田 睦

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

10
志賀直哉、菊池寛など教科書に載っているような大文豪のエピソードが書かれている。ここまで時間が経ってしまうと、書き残す、あるいは書くという行為の本質まで考えさせられる。あっという間に「今」は「昔」になってしまう。先日歳をひとつ重ねて思ったことでもある。2011/08/10

kiiseegen

3
「鮎の宿」、「桃の宿」、「森の宿」と随筆三部作を読了。新刊ではもう入手出来なくなっており古書にて。2022/10/25

AR読書記録

0
あっ、三部作の2をとばして3巻めにいってしまった。道理で、自身の老いを諧謔味をまじえて飄々と語るものが多く、また鉄ちゃんぶりも堂に入ったもので、柔らかな笑いを誘われる。“客車の立てる鉄路の響きを擬声語のかたちで文字に書き写”したところを読んで、汽車への愛をしみじみと感じた。そういえば『きかんしゃやえもん』はこの人の作なのだな。ところで、1巻めと同じ作品が入っているのはいいのか? 編集ミス?2014/04/23

古本虫がさまよう

0
「『北斗星一号』試乗記」は、遠慮することなく旧国鉄の問題点(?)を指摘。僕も乗ったことがあるが、ラウンジカーは、(当時)喫煙可能だったし、ゆっくりと夜景を楽しもうにも、うるさいテレビを点けたままだったし、豪華夕食を予約して食べようとすると、下着シャツ姿のオッサンがシャワー券を買いに食堂車にやってくるし……。何が豪華列車だ? と。 阿川氏が旅した時も、食堂車には「浴衣のまま入って来るのがいる。素足に青いスリッパを突っかけてビールを飲んでいるのがいる。従業員だけがブラック・タイの正装である」と。2018/08/30

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