裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

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裁かれた命 死刑囚から届いた手紙

  • 著者名:堀川惠子【著】
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 講談社(2016/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062932714

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内容説明

一九六六年、強盗殺人の容疑で逮捕された二二歳の長谷川武は、さしたる弁明もせず、半年後に死刑判決を受けた。独房から長谷川は、死刑を求刑した担当検事に手紙を送る。それは検事の心を激しく揺さぶるものだった。果たして死刑求刑は正しかったのか。人が人を裁くことの意味を問う新潮ドキュメント賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はつばあば

70
考え込んでしまう。人が人を裁くこと。寂聴さんみたいに死刑廃止!とまで言い切ることができない。かと言って終身刑ならどこに彼らを?アルカトラズ島が日本にあるわけじゃなし。地方によっては昭和のまだ貧しさと戦っていた頃、彼のように、永山則夫もそうだったが愛を知らず、学ぶ機会もなく喰うていくだけで大変だったのだ。犯罪者の再犯を叫ばれる今、現代の若い子による徒党を組んだ残虐なる殺人・・彼らはノリだったとか、死ぬとか思わなかったと。愛にも学ぶことにもなんの不満もないはずなのに。親が平気で我が子を殺すのもなんで?2016/11/15

てつのすけ

56
犯罪は、どのような事情があろうとも、許されるものではない。そして、国家が定めた法令により、処罰されるべきものである。この罰には、当然、死刑も含まれるべきだと考える。ただ、本書の終盤において、我が国の死刑の執行方法を読み、執行方法は改善されるべきであると強く思った。それは、執行に携わる刑務官の心理的な負担が、相当なものだからだ。死刑制度には賛否両論あり、今後、国民的な議論を経て結論を出すべき問題ではなかろうか。2020/03/11

hatayan

45
1966年に起きた強盗殺人事件で死刑判決を受けた22歳の長谷川武。裁判では単なる凶悪犯として死刑を下されます。長谷川は、死刑を求刑した土本検事に罪を償う機会を与えてくれたことを感謝する手紙を送っていました。土本は、長谷川の育った環境や心の奥底の思いを知ろうとしていたか、自分の判断が人間として正しかったのか自問自答し続けます。 裁判員制度が始まって10年。法律の解釈を追認するだけではなく、加害者が事件に及んだ背景を探り、犯罪を繰り返させないために何ができるかを考えることが必要ではないかと著者は問いかけます。2019/06/11

hrmt

45
人が人を裁く事の危うさ重さを考えずにいられない。事件は冤罪なわけでなく加害者もその罪を認め、一審の死刑判決後の控訴をも辞退しようとしている。捜査検事として死刑求刑に関わった元検事、二審以降に関わった弁護士に死刑囚から届いた多くの手紙や情報からは、この死刑の意味はどこに…とすら思える。被害者や遺族が被った艱苦を思えば、罪は罰せられるべきだが、社会が国家として下した判断にも実際その手その口で携わった人はいて、人が全て完全な存在ではない以上、簡単に善悪や正義で断じられず、その後も人生に深い疼きを抱え懊悩する。2017/09/21

きょちょ

37
新潮ドキュメント賞受賞作。後半は涙なしには読めなかった。実に秀でたノンフィクション作家である。取材力もさることながら、著者の想いも含め、「読ませる」「考えさせられる」。今の死刑の基準とされる「永山基準」を私は決して肯定しないが、その基準に照らし合わせれば、長谷川は死刑ではない。しかし、私は死刑制度肯定。今の死刑よりもっと厳しい「償い」をさせたい加害者もいっぱいいる。死刑制度というのは、肯定と否定という2つに短絡的に決められない難しさがあることは百も承知。長谷川や長谷川の家族に涙しながらも、死刑制度肯定 ⇒2017/12/27

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