狂気とバブル

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狂気とバブル

  • ISBN:9784775970379

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内容説明

バブル分析の古典的名著!昔から人は荒唐無稽な話にだまされ、無分別なヒステリー症にかかってきた!

 「いつの時代にも、その時代ならではの愚行が見られる。それは陰謀や策略、あるいは途方もない空想となり、利欲、刺激を求める気持ち、単に他人と同じことをしていたいという気持ちのいずれかが、さらにそれに拍車を掛ける」――著者のチャールズ・マッケイは1841年にこう述べている。当時は確かにそうだった。しかし、1980年代後半の日本の株式市場や2000年のアメリカ株式市場のITバブルを見れば、現代も間違いなくそうだろう。

 狂った投機熱から聖遺物崇拝まで、集団妄想にまつわる幅広いテーマを扱った知的でユーモアあふれるこの著作は、大衆の狂気、群衆の行動、人々の愚行に関する研究論の決定版となっており、読者の知的好奇心をくすぐらずにはいられない。本書ではさまざまな詐欺やいかさま行為のほかにも、魔女の火刑や壮大な十字軍運動、ノストラダムスの予言、16世紀のオランダの国中を巻き込んだチューリップバブル――たったひとつのチューリップの球根で全財産を失った投機家たちの話――に関する論考も取り上げているが、そこには服のすそを上げ下げし、髪型を変えたりひげを伸ばしたりといった人々の奇行も見え隠れしている。

 思い当たる節があるという読者――マッカーシズムやエルビスフィーバーを思い出しただろうか?――に、そして途方もない狂気や荒唐無稽な計画、大衆をけむに巻く詐欺事件に興味津々の読者に、古今を問わず、どんな時代でも、大衆がいかに無分別なヒステリー症にかかりやすいかを諭してくれるのが本書である。 ベストセラー『トビアスの教える投資ガイドブック』(パンローリング)の著者であるアンドリュー・トビアスは本書について、「ほかの古典的名著と同じように、一度読めば本書の存在を知らなかったことなど想像するのも難しい――だからどうしても本書を薦めずにはいられなくなるのである」。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

香菜子(かなこ・Kanako)

42
狂気とバブル―なぜ人は集団になると愚行に走るのか。チャールズ・マッケイ先生の著書。集団心理や群集心理は恐ろしいもの。一人一人は理性的な常識人であっても、集団になった途端に非合理な非常識人になってしまう。そして、非合理な非常識人の集団に強欲さや無分別なヒステリーさが加わるとバブルが起きる。歴史は繰り返すという言葉は本当。2019/08/12

がくちゃびん

7
3週間以上かけてようやく読了。過去様々なバブル、熱狂、集団妄想といった現象を、膨大な事例とともに紹介し、分析した本。チューリップや株の投機熱から始まり、毒殺の流行や決闘への執着、星占いや磁気療法士、錬金術や魔女狩りに十字軍遠征などなど、興味深く重要なテーマで記述され、単行本でびっしり600ページ越えという大ボリュームで記される。すべての内容を理解し咀嚼できたとは言えないが、150年前の著述とは思えないほど深遠な智恵を垣間見える名著。オススメです。2016/08/29

rubeluso

5
人が集団になった時におこる狂気について。ちょっと滑稽な詐欺やバブルから冗談にならない魔女狩りまで膨大な事例が紹介される。150年前の本なのに宗教とその欺瞞について徹底した批判的な視点を持っているのが面白い。 それにしても、この本で紹介される詐欺師たちが訴えられても場所を変えてまた活動しているのに対し、魔女だと噂を立てられただけであっさりと火炙りにされる庶民たちとの対比がすさまじい2015/03/01

ゼロ投資大学

4
歴史上で起こったバブルを取り上げて、その時代に何が起こったのか、人々がどういう考えだったのかを解説している。バブルが発生する人間の本質的な心理にはあまり触れられていない印象で、歴史の細かい解説が多い印象を受けた。2022/04/29

Jack Amano

3
167年前に書かれた本(1852年)ではあるが、人間の愚かさや軽信性を克明に著述した本であり、とても勉強になります。経済的なもの=バブルは第一部であり、全体の1/6以下ではあるが、鋭い観察によってバブル至る道が描かれています。バブルに限らず、魔女狩りや錬金術(そしてそれにつながる、生命の水・賢者の石を探索すること)などの、非合理的なことに、人間がいかに多くの時間を費やしてきたか。非合理だとわかっていながら、なぜ信じてしまうのか。信じないことを貫き通せれば、投資でも成功できる。2019/03/10

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