エンデュアランス ──史上最強のリーダー シャクルトンとその仲間はいかにして生還したか

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エンデュアランス ──史上最強のリーダー シャクルトンとその仲間はいかにして生還したか

  • ISBN:9784775941263

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内容説明

エンデュアランス(不屈の精神)号、真冬の南極の海で座礁――
絶体絶命の漂流生活を切り抜けろ

絶望的な状況で、彼らは極地の暗黒の冬を越す。
その日記の中に、ある晩オーロラが現れ、全天を舞うシーンがある。
おそらく生きては戻れない運命の中、彼らはどんな思いでその光を見つめていたのだろう。
――写真家星野道夫


不可能を可能にした28人の男たち
アイルランド生まれの探検家サー・アーネスト・ヘンリー・シャクルトンは、1914年、南極大陸横断を目指し、27人のメンバーと「エンデュアランス号」で旅立った。だが南極へ向かう航海の途上で氷塊に阻まれ座礁、氷の圧迫で崩壊し始めた船を棄てる。およそ17カ月にもおよぶ漂流生活の幕開けだった。

シャクルトンは並外れた勇気と大胆さをもつ男であったが、平凡な日常生活でその力を発揮することは難しく、ときに場違いであり、的外れですらあった。だが、彼には天才と言っていいほどのある才能があった。歴史に名を残したほんのひと握りの人物たちに共通するその才能とは、「真のリーダーシップ」だ。

彼の部下の一人の言葉を借りれば、シャクルトンは「この世に生を受けた最も偉大な指導者」だった。彼には盲目的なところをはじめいくつかの欠点があったが、そんなことを打ち消すだけの指導力があった。

「科学的な指導力ならスコット、素早く能率的に旅することにかけてはアムンゼンが抜きん出ている。だがもしあなたが絶望的な状況にあって、なんら解決策が見いだせないときには、ひざまずいてシャクルトンに祈るがいい」

寒さ、食料不足、疲労、病気――。およそ生還は不可能という極限の状況下、たぐいまれなリーダーシップもと、28人の男たちはいかにして全員生き延びたのか。奇跡のノンフィクション。

※本書は『エンデュアランス号漂流』(新潮社)の新装改訂版です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雲をみるひと

24
乗組員の日記や生存していた乗組員へのインタビューを通じてエンデュアランス号とシャクルトン隊の遭難と生還の経緯を記した作品。同じテーマを扱ったシャクルトンの著書より客観的な視点でシャクルトンのリーダーシップと行動力が記されている。シャクルトンの著書同様ストーリーとしても面白いがシャクルトンの人となりがわかる分本作品の方が良いかもしれない。尚。資料不足からかエレファント島に残留した隊員に関する記載は多くない。2023/08/24

ぴよぴよ

4
南極横断探検隊の記録です。氷の海に阻まれ、エンデュアランス号も大破し、結果的には横断は未遂だったのですが、幾多の困難の末、全員を無事に帰還させた船長のシャンクルトンのリーダーシップに学ぶことが多いかもしれません。一方、それ以上に、漂流中の厳しい環境を生き抜く生活の様子が臨場感たっぷりなので、自分もあたかも経験しているようで、読み終えた時にはぐったりした感じです。最後のエンディングは感動的でした。2018/04/19

Kasuke Fujita

3
会社の研修における課題図書につき読了。1915年に南極大陸横断を目指したシャクルトンを隊長とした英国探検隊。しかし、南極圏海域で流氷に行く手を阻まれ、終いには流氷によって船が沈没。船を捨てて氷上を進み、ボートで極寒の海を漕ぎ、氷原を越えて命からがら人の住む街にたどり着いたノンフィクション。乗組員の日記をベースに執筆されているので、生々しい感情がひしひしと伝わってくる。ただ、課題である”シャクルトン隊長のリーダーシップ”について、”自惚の強さのために現実を見誤ることがあった”との一文に注目。これが課題か?2023/08/20

お抹茶

3
1915年から17か月,南極へ向かうウェッデル海で座礁し,船を棄てて氷上で漂流した乗組員達の日々を綴る。単調と絶望,極寒と飢餓に苦しみつつ,全員が生還する。過度にドラマチックに描くことなく,日記を基に当時の日々を再現して読ませていく。表紙には,シャクルトン隊長のリーダーシップを強調する言葉が書かれているが,その内容はあまり印象に残らなかった。それよりも,漂流を追体験するようなノンフィクションで,隊員が帰還できたときは自らもほっとした。2023/03/18

kuchen

3
ノンフィクション。1914年、エンデュアランス号が南極大陸横断に向け出航する。しかし、流氷帯に阻まれ、船は崩壊。船から脱出し、氷盤が漂うにまかせ、その後、ボートで陸を目指す。約一年半の生還までの記録。驚異的な話だった。過酷な自然環境の中、心身ともによく耐えることができたと思う。生命力と剛毅さに驚嘆するばかり。また、極限状態で決断しなければならないリーダーの胆力に戦慄する。2018/03/02

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