内容説明
宇宙の成り立ちを探るうえできわめて重要な素粒子・ニュートリノ研究の第一人者による入門書。基礎理論から最新の発見まで詳説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
funuu
18
ニュートリノは1930年、ヴォルガング・パウリによって予言されました。これまで知られていない、電荷を持たず、また質量を持たなかあるいはきわめて小さいな粒子を過程すれば、「原子核なβ崩壊」という現象がうまく説明できるとパウリは考えたのである。筆者は2015年、「ニュートリノ質量の存在を示すニュートリノ振動の発見」?により、ノーベル物理学賞を受賞。内容は著者によると平易に書いたつもりらしい。理解は難しいがロマンは感じました。2016/07/27
toshi
12
今が旬の本。 学生時代には無かった理論も今は定説となり、物理学は日々進化していることを実感させられる。 カミオカンデもカムランドも当初の目的に拘らずに、臨機応変に変えていったことで素晴らしい発見に貢献したことがよく分かる。2015/12/20
不見木 叫
11
ニュートリノと素粒子、宇宙論の解説書。講義を受けているようで分かりやすかった。2023/09/03
赤い熊熊
8
そもそもカミオカンデは何を捕らえるために造られたか、そこで何が捕らえられたか。ニュートリノをどうして捕らえるか、捕らえてみて発見された謎。ニュートリノにまつわるエピソードが素粒子実験の立場から丁寧に書かれている、梶田さん本人による著書。ニュートリノに質量があるというだけなら、ニュートリノ振動に深入りしなくても、ニュートリノが変身する事実と特殊相対性理論だけで簡潔に説明できてしまうことにはなるほどでした。2016/01/16
黒豆
8
ニュートリノ研究の歴史と現在の研究最前線が詳しく説明されている、従って説明はわかりやすいが内容は難しい。少し驚いたのはニュートリノ振動研究が統一理論研究に繋がる事、地球内部の熱源は生成時の余熱半分核分裂反応半分それが観測によりわかる事、次の理論を実験で確かめる為には更に大きな施設が必要な事。建設出来るだろうか?今年カミオカンデの見学会に参加した事(抽選ですがお勧めです)やノーベル賞受賞した事もあり、今後も研究成果を注視していきたい。2015/12/30