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内容説明
新聞『日本』の記者として活躍、犬養毅の知遇を得て政界入り、大正デモクラシー真っ只中にあって犬養を支え、政党政治確立に尽力する。やがて二大政党制の欠陥が露わとなるなか犬養は兇弾に倒れ、政党政治は終焉を迎える……。議会政治の裏側を知り尽くした傲骨の政治家の証言。 〈解説〉筒井清忠
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
7
黎明期の新聞人でもあった著者が日清戦争に従軍し、前線での悲惨な将兵の実態と黄海海戦の大勝に至る裏での艦隊内の薄氷を踏むが如き作戦と心理の経過を見聞し、事実のみ短絡的に捉えて知った風な気になることを当時の銃後に戒めた「歴史とは信ずるに足らず」の一文は現代にも通用する至言。明治大正昭和初期と日本の中枢で生きた一選良の回顧を通して、主にメディアや政治を中心に生身の人間が織りなした近現代史上の行間、藩閥支配から本格的政党政治へと向かった政治の、されどどこまでも生臭い普遍の本質など多くを学べる意義深い一冊と思う。2016/02/17