内容説明
17歳で天才落語家・立川談志に入門。
両親の反対により新聞配達をしながら、「上の者が白いと云えば黒いもんでも白い」世界での落語家前座修業が始まる。
三日遅れの弟弟子は半年で廃業。なぜか築地市場で修業を命じられ、一門の新年会では兄弟子たちがトランプ博打を開帳し、談志のお供でハワイに行けばオネーサンに追いかけられる……。
様々なドタバタ、試練を乗り越え、談春は仲間とともに二ツ目昇進を目指す!
テレビドラマ『下町ロケット』(TBS系)などで俳優としても活躍、「今、最もチケットの取れない落語家」の異名を持つ立川談春のオリジンがここに!
<2008年講談社エッセイ賞受賞作品>
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
513
小川洋子さんのご推薦書(『みんなの図書館』)。落語の世界には暗いので、立川談春という人は上記の本で初めて知った(さすがに談志は知っているが)。内容は彼の中学時代から今にいたるまでの、いわば半生記。談春自身のことも、談志のことも、また落語界というものも良く伝わってくる。口頭での語りと文章ではまた違うだろうが、なかなかに見事な語り口。例えば1章の末尾。「昭和59年3月、なごり雪の降る日に僕は立川談志の弟子になった」。ここに「なごり雪の降る日」の1句を入れるところが、談春の文才である。2019/06/19
しんごろ
175
立川談春の自叙伝的なエッセイというべきかな。立川談志に弟子入りするまでのいきさつを読んでて、談春は、どことなく談志に似ているというか、破天荒さを感じる。この師匠にこの弟子ありと、妙に納得してしまった。この作品を通して、談志の人となりがわかる。談志、めちゃくちゃなのは確かだが、しっかり師弟関係が構築され、談志と談春を含めた弟子達との師弟愛および師弟の絆もあった。更に志らくの人となりもわかり、たいへん興味深い作品だった。2022/12/11
みっちゃん
153
お恥ずかしながら、落語どころか笑点もたまにしか観ない私なので、立川談春さんと云えば大河ドラマに出ている人、志らくさんはM-1の審査員、そしてお二人の師匠、立川談志さんは破天荒な孤高の落語家、そんなイメージしかなかった。ある時は頭の中が❔でいっぱいに、ある時はその過酷さに眉に皺を寄せ、またある時は堪らずぷぷっと吹き出す、そのとんでもない修行の日々。突飛な事を突然始めたり、言い出したり、でも確実に弟子を思う気持ちは伝わる。最終章、談春さんが真打ちとなる時の小さん師匠と談志師匠との経緯は胸に迫るものがあった。2023/06/29
小梅
144
同僚から借りた本。ドラマ「赤めだか」を観ていたからおおよその流れは分かってたけど、文章にリズムがあってとても良かった。談春の才能を感じるエッセイでした。ぜひ、生で談春の落語を聴いてみたい。2017/07/15
初雪ハロー
131
かなり良かった。一気に読了しました。2018/12/24