ちくま新書<br> がちナショナリズム ――「愛国者」たちの不安の正体

個数:1
紙書籍版価格
¥814
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま新書
がちナショナリズム ――「愛国者」たちの不安の正体

  • 著者名:香山リカ【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 筑摩書房(2015/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480068491

ファイル: /

内容説明

二〇〇二年、著者は、『ぷちナショナリズム症候群』で、皇太子夫妻第一子誕生に熱狂する人々、ワールドカップ日韓大会にわく若者たち、などを観察し、「ニッポン、大好き」と言ってしまう日本人に対して、右傾化とファッショの萌芽なのか、と警鐘を鳴らした。一三年たった今、「愛国ごっこ」は「ごっこ」ではなくなり、あの時の心配はすべて現実に起きてしまった。安倍内閣から、ネトウヨ、ヘイトスピーチ、反知性主義、安保改正まで、現代日本の「愛国」の現状と行く末を改めて分析する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

daiyuuki

24
安倍首相の政策を批判する発言をすると失礼で不謹慎と批判するネトウヨの心理の底にあるのは、日本社会独特のパターナリズムを良しとする傾向とそれを強化する親への反感エディプスコンプレックスのない若者の増加とその時の世間を象徴する絶対的な象徴に盲目的に従う傾向。安倍首相の傲慢な態度にある、反動形成、権力者特有の傲慢症候群、自分の中にある不安や怒りを他者に投影する傾向。安倍首相をはじめとする日本が抱える排外主義という病に、奴らを通すな!と叫ぶための1冊です。2016/01/25

tetsu

16
★3 愛国者やナショナリズムというとちょっと前までは右翼的で敬遠される傾向だったけど、最近では朝鮮半島の動きがちょっと怪しくなり、国防や憲法改正などが話題になる事が多くなった。 また、ヘイトスピーチやネトウヨなどに代表される排他的な動きも目立ってきた。 逆に、それらの過激さを批判すると非難されたりネット上で攻撃されたりとちょっと危うい状況も表れてきている。 現在のネット社会では、自分の好きな情報のみ取捨選択して思想的に偏ることもありがち。 色々な立場の考えや思想を冷静に判断することこそ必要なのでしょう。2017/05/20

skunk_c

16
首相やネトウヨにさんざん痛めつけられた体験を、それほど激することなく分析のネタにしているのがまず「さすがだな」と思ったところ。『プチナショナリズム症候群』は既読なので、重複する部分もあったが、2002年から13年で事態は確実に悪くなっている。「スポーツナショナリズム」「憲法を「精神分析」する」は読んでいなかったので新鮮。特に後者のエディプス・コンプレックスとの関連や、安倍首相の傲慢症候群、微細な差異故に韓国・朝鮮人を差別するなど、興味深く読めた。在日差別については、明治以来の歴史構造が大きいと思うけどね。2015/12/18

ダンボー1号

14
「ぷち」から「がち」へ。ネットの普及でデマがネットで真実に変わり浸透伝染、偏った考え差別レッテル張りする人が増えていく。その過程が理解できました。し日韓Wカップまで日本が好きと発言するのはカッコ悪い、非難されむしろネットにはネトサヨのほうが多かったです。外国見て愛国に目覚めたのが悪いとは思いませんが方向性が偏ってきているのは残念です。香山さんの本7冊目ですが香山さん自身も左に寄ってきてるように感じます。お医者さんだから政治色薄い社会学食が強い本読みたいです。女性知識人ほど感情的な安部批判が強いですね。。2016/02/02

スリーピージーン

8
なるほど「プチナショナリズム」→「がちナショナリズム」→ファシズムと進む恐れがあるのか。内容には全面的に納得しているわけではないが、たしかに日本すごい・すばらしい的な論調の本の氾濫にはなんとなく違和感を持っている。それも外国人へのヘイト行為も不安感から来るものなのか。著者がこんなにひどいことを言われているとは初めて知った。なんとなくの雰囲気に流されるのは怖い。かつてのナチズムも空気の操作が上手だったらしいから。信じるに足る情報を選んで、声やアクションの大きい人に騙され流されないように学ばねば。2018/11/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9923502
  • ご注意事項