講談社選書メチエ<br> ロシアあるいは対立の亡霊 「第二世界」のポストモダン

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講談社選書メチエ
ロシアあるいは対立の亡霊 「第二世界」のポストモダン

  • 著者名:乗松亨平【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 講談社(2015/12発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062586160

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内容説明

1991年の崩壊以降、ロシアは歴史の表舞台から消えたが、今世紀その存在感を奇妙なかたちで取り戻した。ウクライナ危機では核兵器まで用意し、かつての冷戦構造を彷彿とさせた。本書では、一九六八年以後のロシア現代思想の歩みを渉猟し、「対立が終わった時代」の対立をめぐる想像力を追跡。ロシアのアイデンティティ構造(自らをつねに「xの他者」〔X=資本主義、権力……〕)を明らかにする。現代を読み解くための必読書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

無重力蜜柑

12
雪解け以降のソ連〜ウクライナ危機までのロシア現代思想の展開を追いかける本。「私はXにとっての他者である」。Xに「西側」あるいは「権力」を代入して成立していたロシア現代思想が、前者はソ連崩壊により、後者はブレジネフ以降の停滞期の「脱政治」により失効しつつ、何度も変奏されてきたというのが基本的な視座。ガチガチに文芸批評・現代思想すぎて自分には理解し難いところも多々あったが、ソ連やロシアのインテリがどういう風に自分たちの社会を見ているのかが伝わって来て良かった。思想の細部はもう少し省いてくれてもよかったが。2022/05/08

ころこ

6
著者の実力は、西欧現代思想のまとめであるP16~17を読めば一目瞭然です。ところが、普段は内容よりも、思想家哲学者の固有名に頼っていたのだと再認識させるくらい、著者の文章を以ってしても、ロシア現代思想の論点がよく分かりませんでした。また、著作の主張だけではなく、文体、寄り道の様な教養、文章以外のパフォーマティヴ振る舞い、何より他の研究者による言及など、我々が無意識に行なっている評価の在り様を改めて考えさせられました。とりあえずは安易な方法としても、バフチンやコジェーヴ、グロイス周辺の言説から雰囲気を掴んで2017/08/24

sk

5
ロシアのポストモダニズムについて論じた本。何か大きなものに対立する第二世界のアイデンティティの変遷。2017/09/23

Go Extreme

1
歴史的背景: 冷戦崩壊 ソ連記号論 ペレストロイカ 雪どけ 言語規範 他者性 ポストモダン: ロシア文化 知識人 反権力 ユーラシア主義 国家と個人: 主体性 自己疎外 記号のパフォーマティヴィティ 権力批判 市民社会 記号圏 知識人と思想家: ロトマン ルイクリン エプシュテイン ユルチャク ナンシー ソルジェニーツィン 政治と社会: プーチン政権 1990年代の混乱 西側との対立 ノスタルジー 共同性 規範の超出 未来展望: 文化的対話 教育改革 意識変容 新たな市民社会 価値観の再構築2025/03/02

hobby no book

1
一時期「ロシア的」なものに惹かれていたのだけれど、最近は関心が薄れていたので、何となくここ数年のロシア思想について知れるのではと思い。完全に論文のテイストで書かれていたため、どうも読みはじめのテンションが維持できずに、それこそ途中で関心が薄れてしまった。人名と引用のオンパレードの中、同じような話題が円環しているような印象で読み終わってしまった。2016/03/27

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