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内容説明
北海道の旭山動物園が上野動物園の入場者数を抜いて日本一に! 快挙の裏に隠された汗と涙の物語……。人間も動物も「自分らしさ」を見てもらいたい。人間は、「自分が誰にも負けないこと」を発揮できる場を与えられ、もしそれが、他人に評価されれば本当に嬉しい。それは、動物も同じである。ほかの動物にはない「自分だけが持つ能力」を発揮できる環境を提供して欲しいのである。――日本一の動物園はいかにして奇跡を起こしたのか? 驚異の復活に学ぶ、ビジネスモデルの原点。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
38
いつ行っても楽しませてもらえる旭山動物園。小菅園長(執筆時)の改革に対する思いと手法が描かれる。「『動物園とは何か』という基本認識や、直接入園者に語りかけるワンポイト・ガイドなどの体験…(中略)…大切なのは、不遇のときの準備なのである。」なるほどと頷く。2021/05/14
masa
26
独創的な仕掛けが話題となり、最北の地にありながら一時は上野動物園を凌ぐ来園者を誇った小菅正夫前旭川動物園園長の手記。人々を惹き付けてやまないのは展示方法だけではない。あえて動物の死を告知する、見終わった人ができる範囲の行動を起こしてみようと思わせる仕掛けなど、動物園は人が人らしく生きていくために絶対に必要な施設であるとの熱い想いにとても共感した。久しぶりに八木山動物園(仙台)に行きたくなった~♪15942015/06/13
ビイーン
24
旭山動物園には、珍獣がいないのに何故人気があるのか、試行錯誤の中で得られたノウハウの一端を紹介している。改革に必要な組織にはスターは不要、野生生物を飼育した経験のない職員が人事異動で回されてくる弊害、コンプライアンスの問題等、動物園は一般企業と同じ問題を抱えているようだ。現代社会で個人が生き残るためのヒントがみえる。旭山動物園は遠いけれど、一度は家族で行ってみたい。2016/11/02
柔
22
金がないなら、アイデアを出せ!かの有名な旭山動物園もかつては田舎の古びた動物園だった。動物の視線に立ち、自ら動きたくなる環境を作る。従来の動物園の常識に囚われない行動展示、立体展示と珍獣がいなくても強い動物園の秘密に迫る。2種以上を同じ環境で育てる共生展示。そして生と死、老いを感じさせるまさに「動物学・園」であった。人間のレクリエーションの為だけではなく、野生動物の保存という大きな任務もあるという。多くの動物が絶滅していく昨今、大きな命題を背負っている。小菅園長の動物愛を強く感じる。2021/05/31
James Hayashi
22
動物好き、ビジネスのマーケティング関連、改革を求める人。癒しを求めている人などいろんな方面に影響を与える可能性のある本。動物のためと、人間に見せるを兼ねた動物園の変革から、入園者数の大幅増を実現した元園長。涙が滲む場面もあった。再読。2021/02/06