この冬の私はあの蜜柑だ

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この冬の私はあの蜜柑だ

  • 著者名:片岡義男【著】
  • 価格 ¥1,771(本体¥1,610)
  • 講談社(2015/12発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062197649

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内容説明

高3の夏、水着姿で自転車に乗った美樹子が差し出した葡萄味のアイスキャンディーを、明彦は今もはっきり覚えている――(「愛は真夏の砂浜」)。かつての同級生、兄と妹、客と店員、編集者と作家、元夫婦。都市の一角ですれ違い、向き合い、別れていく男と女の姿を、研ぎ澄まされた文章で、譜面に音楽を刻みつけるように描く。音楽、スニーカー、ラジオ……あるテーマを出発点に想像力が鮮やかに紡ぎだす、魅惑の9篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kiyoboo

27
よく昔聞いていた歌でふいにその時代の自分に戻れるというようなことがあるが、片岡義男の作品もまさにそれだった。1970-80年代の作品がよみがえってきた。オートバイ、波乗り、コーヒー、洒落た小道具、登場する女性は仕事ができて、スタイルが良く、いい女だった。ただ悲しいかな作者が歳を取り過ぎたか、昔ほどの勢いがない。以前はすぐにベッドインという設定が多かったが、今回の短編はそこまでの話は少ない。別に期待しているわけではないが(笑)思い出に浸れた時間だった。2016/02/29

うたかたの日々

6
続けて片岡義男を読みました。こんなに素敵な男性も女性に憧れます。 クールでストイックな感じで自立した人々の日常。最近あまり片岡さんの本を読んでなかったですが読みだすとクセになります。2016/10/15

ちゃかぱん

6
・このままというのは長期的に見れば下降なのよ。一年が二年になり、二年は三年で五年くらいあっという間だから。 ・こたつに入って蜜柑をむき、ひと房ずつ食べても、得られるものは具体的にはなにもない。けどそのわりに失うものもなく、完全に均衡したきわめて小さな宇宙であり、それは誰にも邪魔されない自分だけのものである。(本文より)2015/12/08

食物繊維

5
この本の中の一編に出てくる「こういう場所は東京にしかない」の言葉にハッとしました。昭和初期を連想させる場所に関しての主人公の感想なのですが、この言葉を読むまで東京は何でもすぐ壊して変わってしまう場所という印象を強く持っていたので。昔の東京の情景が残る場所って当たり前だけどそりゃ東京にしかないよなあと気づかされました。『あんな薄情な奴』という短編の結末も好き。自分の感性では分からない、他人の目の厳しさをユーモラスに教えてくれます。台詞が舞台調っぽいけど私は片岡さんの作品好きです。他人の日常は別世界だから。2023/05/09

りんご

5
片岡さんの作品 久々に読みました 期待を裏切らない内容でした これを機会に読み返すのもありかなと思いました2018/12/23

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