内容説明
そこにいるだけで空気が華やぐような綺麗な少女、雛田香奈実。 彼女に一目惚れした僕が演劇部に入部して数ヵ月、文化祭公演の台本を選ぶ時期がやってきた。 現役の演劇部部員は僕と雛田を含め、一年生の五人きり。 僕たち五人にはそれぞれ想い人がいたりいなかったりしたのだけれど、部室で見つけた、ぼろぼろの 『ロミオとジュリエット』 の台本を使うことに決めたとき、五人の心に奇妙な変化が起こり始め……。 これは、「好き」 と言えない高校生の揺れる思いを描く、ちょっと怖い物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのぼん
31
演劇部で繰り広げられる少しオカルトの入った作品でした。ひとつの台本を部員が手にしたことからストーリーが展開していきました。青春ものって感じで楽しめました。2013/03/19
(●▲●)とらうまん(*^◯^*)
15
この恋は果たして誰のもの? 呪われた演劇の脚本により、幻か真かすらわからない恋心に翻弄される五人の男女の物語。 ちょっとほろ苦くも、読後の雰囲気は悪くない作品でした。
サウナ探偵
11
単巻ラノベ漁りそのX 死者の”恋愛感情のみ”が乗り移るという突飛な設定のエンタメ作品。 アイデア一本じゃなくて割と作り込まれてておもしろかった。 綺麗に終わるけど彼らのこれからが知りたくなるヤツ。2021/06/30
カシヤ
10
設定を最後まで活かし切っているのがお見事。シリアスになりそうな場面はコミカルに交わされているので読み疲れませんでした。文化祭公演では、色々と仕掛けがあって楽しかったし、ハラハラさせられました。それ以前の場面でも、緩急をつけて欲しかった気も。設定は非現実的ですが、恋に生きる高校生という点では結構リアルというか、感情の揺れが上手く描かれているなあ、と。だからこそ、エピローグ……じゃなくてカーテンコールでの如月の姿はグッときました。にしても、新堂さんが可愛い。特に文化祭公演以降。2013/10/22
ヤギ郎
9
一昔前のライトノベル。「今こういう展開を書くライトノベル作家さんいないよな」と思いながら読んでいた。ホラー小説の一歩手前で恋愛に持ってくる、この感じがいい。すごくおすすめはできないけれど、(いろんな意味で)恋愛に悩んでいる友達に読ませたい。2016/10/16