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内容説明
1996年38歳のとき僕は小説家になった。作家になる前は国立大学の工学部助教授で、月々の手取りは45万円だった。以来19年間に280冊の本を出したが、いまだミリオンセラの経験はなく一番売れたデビュー作『すべてがFになる』でさえ累計78万部だ。ベストセラ作家と呼ばれたこともあるが、これといった大ヒット作もないから本来ひじょうにマイナな作家である――総発行部数1400万部、総収入15億円。人気作家が印税、原稿料から原作料、その他雑収入まで客観的事実のみを作品ごと赤裸々に明示した、掟破りで驚愕かつ究極の、作家自身による経営学。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
315
なんらかの発言を目にする度、森さんの作家としてのスタンスに興味が沸いた。本人も仰るように、事実を事実として書いているだけなので、読み物としては、動く金額の大きさに驚くくらい。「とにかく多作である事」という考え方は、実証されてもおり、納得いくものでもある。しかし、ミステリ、特に本格の分野では、その時世こそが作家の長編離れ→短編集乱発を引き起こしている一因でもあると私は考えるので複雑。これからの時代、独創性だけではなく、時間あたり何千文字出力可能かも小説書いて生活する上での条件のひとつだろう。うん、合理的。2016/08/06
starbro
239
森博嗣の小説は何冊か読んでいますが、小説以外は初めてです。本の印税に関しては、漠然と知っていましたが、ここまでリアルに具体的に書いていただけると、非常にわかりやすく、興味深く読みました。森博嗣は成功した作家だと思いますが、印税収入だけで生活できる作家は日本に100人程度しかいないのではないでしょうか?先日プライベートで本を作ったこともあり、本作りの大変さをより実感しました。著者はセミ引退宣言し、マイペースで小説を書いているようですが、これを羨んでいる売れない作家が、わんさかいるのが目に浮かびます。2016/02/15
やすらぎ
231
森博嗣さんは面白い。原稿料や印税の仕組み、絵本や映画化されたときの収入、経費となる支出など、飾らない事実をそのままに伝えてくれる。「作家の収支」まさに本題の通りである。読み手側の興味湧く内容を言葉にしてくれている。小説は劣化しない。突然売れ始めるときもある。一作目が売れるまで様子を見るのではなく、常に出し続けることで世間の目に触れる。何が売れるかは誰もわからない。手応えのある作品のはずが、そうならないときもある。読後、皆に憧れは残るのだろうか。溢れ出る創作、執筆意欲の継続が小説家を目指す大切な要素である。2023/09/07
ねこ
161
「勉強の価値」が面白かったので本書も読んでみた。まさしく作家の収支を克明に書いていらっしゃる!2015年発行と随分古い本になってしまっているので現在の作家の状況はもう少し変わっているかもしれませんが作家を目指す人にとっては必読書といっても過言ではないです。収支だけでなく作家になるための必要なノウハウや心得、考え方を淡々とだけど周りくどくではなくストレートに要点を突いてくる。「とにかく自分の作品を書けば良い。手法はどうでも良い。どう書くかではなく、“書くか“なのである」と。2024/08/30
hiro
126
失礼ながら280冊の本を出している森さんの本を読むのは初めて。読友さんのレビューを読んで、この『作家の収支』という本に興味がわき、図書館で借りた。印税は本の価格の10%だとは知っていたが、雑誌の原稿料、単行本と文庫の印税率の違い、文庫の解説の原稿料、漫画・ドラマ・映画化された時の原作料、連続ドラマと単発ドラマの原作料の違い等々、気になる作家の収入について実際の数字があげられており興味深く読むことができた。一方、森さんが小説をほとんど読まないということには驚いた。次は森さんの小説にも手を出してみようと思う。2017/09/13
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