表の体育 裏の体育 - 日本の近代化と古の伝承の間に生まれた身体観・鍛錬法

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表の体育 裏の体育 - 日本の近代化と古の伝承の間に生まれた身体観・鍛錬法

  • 著者名:甲野善紀
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • PHP研究所(2015/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569661490

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内容説明

「裏の体育」とは、日本の伝統文化を核に個人が直感と体験によって打ち立てた民間の健康・鍛練法のことである。対する表の体育は、西洋科学思想に基づいた現在の学校体育など。日本人であれば必ず、学校で体育という教育を受けるが、本当に身体を育むものなのか? 例えば、かつて良い鍛練とされたウサギ跳びや腹筋運動も、現在では弊害が伝えられているが、裏の体育では弊害ありとして決して採用されないものだった。つまり、西洋科学においても「身体」を完全に把握できているわけではないのだ。本書は、武術を基盤としたその身体操法がスポーツをはじめ各界から注目される著者が、現代日本人の身体観の常識を覆す「裏の体育」の世界を検証する。表と裏をつなぐ存在である「武術」を語りつつ、西洋的な分析手法を取りながら、現代医学とは相反した主張を続けた肥田式強健術創始者・肥田春充を紹介。日本人の身体を育てる本当の「体育」のあり方を考える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

デビっちん

26
再読。西洋の科学的アプローチ(表の体育)にこだわって肉体的鍛錬をくり返していった先が、体感しなければわからない、科学では説明がつかない裏の体育だったというのが改めて面白いと思いました。さらに病弱だからこそ強靭な肉体を得られたり、不安定だからこそ力が解放されやすいなど、逆説的なものの見方、考え方に何度も感銘を受けます。前回は長ったらしい引用が退屈でしたが、あちらの世界に興味を持った今は興味深い内容がたくさん記載されていたことに気づきました。2017/12/18

姉勤

23
肥田春充の生涯と、彼が創始した肥田式壮健法を説きながら体操術と壮健への効果を手解きする。現代では常識と思われる、満足な栄養の摂取、スポーツ,稽古などのトレーニングによる心身の酷使や鍛錬を排し、数分(慣熟すれば数秒!)の体操と粗食で超常的な身体の活性と能力を獲得する。体感していないので判断しようがないが、これだけ簡易で素晴らしいものが流布されず、かつフォロワーが少ないのが腑に落ちない。それでも、丹田と正中、重心の意識づけを手始めにやってみる。現代において無為自然に生きる事がいかに有為不自然かは言わずもがな。2013/10/24

デビっちん

13
再読。「無味乾燥な反復稽古のなかからも何かを発見す。」これは多くの志願者から才能ある人を見つけだす篩の構造。逆に考えれば、少人数の組織では、そういった指導や教育をしていけば、少数精鋭のチームを構築できるのでは?と感じました。武術だけでなく、勉強やスキルアップ全般にも当てはまるのを実感しているからです。2021/03/19

13
ちょっとずれた感想になってしまうけど、歯は大切であると改めて思った。ブドウ糖を注射したマウスのほうが口より摂取するよりも虫歯になるというのに驚き。歯磨きは補助的であり、何を食するか見直しが必要。2014/03/22

デビっちん

6
西洋の科学的アプローチ(表の体育)と、東洋の民間療法的アプローチ(裏の体育)の双方を、繋ぐことが大切である。科学にこだわり、一方で、体験重視である裏の体育の象徴である「丹田」を中心にし、双方をつなぎあわせたのが、肥田式強健術。身体各部が丹田に統一したなかで、別々に効率よく動くことができるようになる。体を通して学ぶものは、各人の体構造、性格の違いなどから、本質的には一人一流である。ベクトルが異なる両者をつなぎ合わせるマスターキーは何か?2015/03/04

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