講談社+α文庫<br> フィリピン新人民軍従軍記

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講談社+α文庫
フィリピン新人民軍従軍記

  • 著者名:野村進【著】
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 講談社(2015/12発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062568074

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内容説明

いまなお活動を続ける共産ゲリラ「フィリピン新人民軍」。宗教、民族、階級闘争……、テロリズムを生む様々な問題を内包したこのゲリラに従軍し、その実態を克明に記録した衝撃作! 80年代前半、マルコス政権下で虐げられる住民たちの素顔に接し、その喜怒哀楽に潜むナショナリズムを鮮明に描く。戦後の東南アジアにおける対日感情の真実と、その微妙な変貌をも浮き彫りにした著者渾身のデビュー作。

目次

文庫版まえがき
はじめに──ブゴイのこと
第一章 ゲリラ地区の農村
第二章 新人民軍
第三章 密林のゲリラ前線基地
単行本あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HALI_HALI

3
1981年に発売されたルポタージュ。筆者がフィリピン新人民軍のゲリラ隊に潜入。ゲリラ隊の目指していたものとは何か。政府が民衆へ何を行ってきたか。実際の戦闘現場にも遭遇し被弾、拷問を受けた筆者。フィリピン人から戦時中に日本が行なったとされる事にも正面から向かい合う。当時のフィリピン新人民軍の様子のみならず23歳であった筆者の思いが込められた作品。(この点は他の作品よりも強いと感じる。)2017/09/04

うたまる

1
「暴力は現実です。歴史を振り返っても暴力は常に存在しました。現段階では私たちもそれから逃れられないのです」……80年代マルコス政権下の反政府ゲリラへの同行取材記。初版が81年でこれだけバランスが取れているのは驚異的と言っていいだろう。ゲリラとの対話から、その理想に共鳴しながら危うさにも気づけている。諄々と哲理と条理を語るゲリラ幹部に対し、搾取と差別の構造の中で生きる農民たち。あまりの落差に理想は横に置かれ、弱者同士が暴力の行使に狂奔するばかり。これでは権力を奪取できても当然腐敗する。そして、当然失敗する。2019/03/08

晴天

0
マルコス時代、フィリピンに留学中だった著者が下宿先のツテで新人民軍に紹介され密着取材したルポルタージュ。著者が後年述懐しているように若き日の目とある立場に密着した姿勢には危うさもあるが、新人民軍に参加した経緯を兵士ひとりひとりに生まれ育ちから聞き出し、渋る人物が次第に語りだしたコトバは貴重である。また、「ハポン」が敵対する政府軍兵士を表すスラングとなっていたり、「猿の肉」の逸話が共有されていたりするあたりも、過去の重みを思わざるを得ない。2021/04/29

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