内容説明
青春はラブコメに充ちている、はずなのだが。 考えたことすべてが言葉と表情に出てしまう「正直バカ」の高校生・春先真太郎(はるさきしんたろう)は、転校してきたばかりの憧れの美少女、神楽琴葉(かぐらことは)や、エロス探求に燃える十月九日(とつきここのか)、常時暴走気味の更級燐子(さらしなりんこ)といった残念美少女たちとの青春生活を送っていた。だが生徒や先生が急に意識を失って倒れる『連続昏倒(こんとう)事件』が学校で頻発(ひんぱつ)していて、ある日燐子も昏倒してしまう。 そんな中、真太郎の自宅に「鏡の付喪神(つくもがみ)」だという少女が現れる。“心の姿を映す能力(ちから)”を持つ彼女と共同生活を送ることにする真太郎だったが、その翌日、突然自宅を訪ねてきた神楽が「その付喪神を今すぐ渡せ」と要求してきて――!? 煩悩(ぼんのう)全開の主人公が謳歌(おうか)する、シースルー青春ラブコメ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
31
考えてることが表情だけでなく、言葉にまで出てしまう正直バカの真太郎の元に祖父から送られてきた鏡の付喪神幼女・雪果や同級生の付喪神使いと共に学園で起こる怪奇事件を調査する話。可愛らしい付喪神たちと、困った人は放っておくことが出来ない登場人物たちが織り成す、優しさと温もりに溢れた良い作品でした。ただ前作と舞台設定が同じで、展開も似た感じなのが残念。キャラ配置も似てるので、何かしら差別化して欲しかったです。とりあえず今後は付喪神シリーズとして今作は勿論のこと「付喪神は青春を〜」の続きも出してくれるといいなぁ。2015/11/28
よっち
29
バカ正直な高校生・春先真太郎が鏡の付喪神である幼女・雪果や、付喪神を管理する国家機関「正倉院」の捜査官・神楽琴葉と出会い、学校で起こっている連続昏倒事件解決を目指す物語。嘘の付けない真太郎と、事件解決のためには手段を選ばないツンデレな琴葉らのシリアスになりきれないドタバタコメディ劇に加えて、付喪神たちの醸し出すほんわかした雰囲気がとても可愛らしく、悲しい思いを抱える人たちをそのまま放って置けない不器用な登場人物たちの優しい物語でした。真太郎たちは今後も琴葉の仕事を手伝うことになりそうで、次巻も楽しみです。2015/11/25
しぇん
18
デビュー作つくも神と同じ世界観というか主人公が従兄弟の話で同じくつくも神との話なのでスピンオフのような感じも。前作を知ってると楽しめる小ネタも結構ありますしね。話は相変わらずつくも神も人も魅力的で良かったですし、優しい気持ちになれるのが良かったです。つくも神は相変わらずサラッと大物だったりしますが。事件の犯人とか速攻わかってしまいますが、まぁ些細な問題かなと。あと、今巻ではヒロインの秘密には全然迫らなかったので、続きが出る事も期待してます。2015/12/15
真白優樹
14
正直者の少年が二人の少女と出会い始まる物語。―――この世界は温かく、優しい世界である。正直者で好感の持てる少年が可愛らしい付喪神とクールな少女と共に大切で温かい日常をドタバタしながらも全力で送っていく中で色々なものを見つめなおして自分を見つめなおしていく物語であり、全体的には人の温もり溢れる某ひだまりスケッチのようなほんわかした物語として仕上がっている。嘘まみれの現代に疲れた人達が心を癒し、休むには丁度いい作品となっているのではないだろうか。世界に疲れた人は読むといいかもしれない。 次巻も楽しみである。2016/02/09
サエズリ割津
14
面白かった。思考が言動に無意識に表れてしまう正直バカの主人公春先真太郎の周囲で巻き起こるラブコメと付喪神の話。真太郎の体質は難儀なものではあるけれど、自分の中に芯を持っていてそれに即した言動であるからこそ、雪果をはじめとする付喪神たちや女子陣に「信用」されていて実にいい主人公だなと思う。心をひた隠しにする琴葉や煩悩まみれの九日など人間のキャラもよいが、何よりロリ付喪神たちが実にキュートでよかった。最後に動いた二人の関係が今後どうなるか楽しみなので次巻も期待。2015/12/07